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第百八十八夜 ページ46

脇腹を抉られたAはあまりの痛みに気絶も出来ない苦しみを味わっていた



体だけではない



なぜか心もズキズキと痛む



((なんでこんなに心が痛いんだろう…中原さんが少し勘違いしただけなのに…))



Aが目を薄っすらと開けると、霞む視界の中で倒れる中原が見えた



((守らないと…中原さんが…死んじゃう…))



Aは必死に立ち上がろうとしたが、実際に出来たのは指先をピクリと動かす事くらいだった



脇腹からはドクドクと血が溢れ出してきている



((もう…無理だ…))



Aはそう諦めて意識を飛ばそうとしたが



((嫌だ))



心の中で誰かが叫んだ



((中原さんを見捨てるなんて絶対に嫌だ。自分の命に代えても守ってみせる))



Aはハッと意識を取り戻した



彼女の脳裏に次々と映像が浮かぶ



中原の不機嫌そうな顔



苦笑いをしている顔



拗ねたような顔



悪戯っぽく笑う顔



楽しげな顔



嬉しそうな顔



少し赤面して俯いているときの顔



顔を真っ赤にして慌てている顔



泣きそうな顔



そして、心の底から幸せを感じているときの顔



ひとつひとつがとても愛おしく思える



あの大雑把なようで繊細な性格や



馬鹿に見えて案外色々なことを考えていること



お酒に酔ったときの甘えたような仕草



異能の力を自在に操る姿



本気の力でぶつかり合った時の感覚



抱きしめてくれた時の暖かさ



Aは今まで気づいていなかった感情に気がついた



Aが中原に抱いていた感情は敬愛だけでなく



混じり気のない、純粋な愛情もだったのだ



Aの心臓がドクンと強く波打った



((絶対に…守ってみせる))



Aは必死に壁に手をつき、立ち上がった



((だって中原さんは私の…大好きな人だから))



Aは右手を掲げ、己の感情の全てを込めて呟いた



「異能力…【千一夜物語】…中原さんを守り、中原さんを害す存在を消しなさい」



偽物対本物



二つの同レベルの異能がぶつかり合った



本来なら余力のある偽物の方が勝っていたはずだが、Aの力は偽物の力を遥かに凌駕した



その力の源は



_______彼女の強い決意と、中原への想いの強さだった

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 中原中也 , 信乃☆   
作品ジャンル:アニメ
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信乃☆(プロフ) - ウイさん» ありがとうございます!アニメの方も二期に入りましたね!それとウイ様の応援を糧に頑張っていきます! (2016年10月6日 22時) (レス) id: 6e49df737f (このIDを非表示/違反報告)
ウイ(プロフ) - 良いです!良いです!とっても面白いです! 更新宜しくお願いします! 頑張って下さいね! 応援してます! (2016年10月6日 21時) (レス) id: 22b43887b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:信乃☆ | 作成日時:2016年10月2日 19時

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