第百四十七夜 ページ5
執務机の向かいにはポートマフィアの首領、森鷗外が腰掛けていた
そしてその後ろには1人の少女
_____Aが立っていた
顔の前にちょうど影がかかっており、その表情は見ることができない
「おや太宰君。執務室に君のほうから来るとは珍しいなあ。紅茶を用意させよう。北欧産のものすごく高価な葉が届いてねえ。饅頭にかけて食べるとこれが絶品で──」
「首領」
太宰が遮って言った
「私が何の為にここに来たか、ご存じなのでは?」
その問いかけには首領は答えなかった
ただ薄い笑みを張り付かせ、太宰を見ただけだった
やや間をおいてから、首領は答えた
「勿論だよ太宰君。緊急の用件だね?」
「そうです」
「いいよ。その用件が何であれ、認可しよう」
そう言って首領はにこりと笑った
「俊英たる太宰君の考えだ。間違っていよう筈がない。君はいつだって私とポートマフィアに絶大な貢献をしてきた。今日もそうであることを願うよ」
太宰は虚を衝かれたように黙った
太宰であっても、首領との会話は薄い刃の上を歩くようなものだった
少しでも道を間違えれば手足が落ちる
太宰は少し考えてから言った
「では織田作を救援するため、夜鳥を含む幹部級異能者の小隊を編成し、ミミック本部へ強襲をかける許可を頂けますね」
「いい切り込みだ」
首領は頷いた
「時として自分の本音を先に開示することは、最大の交渉力となり得る。いいよ、許可しよう。だが理由を教えて貰えるかな?」
太宰は首領の視線を、目をそらさずに見詰め返した
首領の細められた瞳には、相手の内奥まで透かし見るような怜悧な色があった
かつて太宰があらゆる敵、あらゆる同僚に投げかけた視線と同種の光だった
「今織田作は敵組織の本拠地で、単身による威力偵察を行ってます」
感情を消した声で太宰は言った
「緊急対応として、近隣にいたマフィア構成員を援護に向かわせましたが、迚も戦力が足りません。このままでは貴重な異能者である織田作が死にます」
「だが彼は最下級構成員だ」
首領は首を傾げた
「勿論彼も大切な仲間だよ。しかし幹部級を最前線に晒してまで救出する必要があるのかね?」
「あります」
太宰は断言した
「あるに決まっている」
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信乃☆(プロフ) - ウイさん» ありがとうございます!アニメの方も二期に入りましたね!それとウイ様の応援を糧に頑張っていきます! (2016年10月6日 22時) (レス) id: 6e49df737f (このIDを非表示/違反報告)
ウイ(プロフ) - 良いです!良いです!とっても面白いです! 更新宜しくお願いします! 頑張って下さいね! 応援してます! (2016年10月6日 21時) (レス) id: 22b43887b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:信乃☆ | 作成日時:2016年10月2日 19時