第百八十一夜 ページ39
「よし、内容は聞いたな。いくぞ黒羽」
いつになく真剣な表情と声色のAに黒羽は顔を引き締めた
今は道化ではなく本当のAだ
2人は装備を確認してジェット機に乗り込む
そして中にいた操縦手から書類を受け取り、機内の机に広げた
それを順に追って素早く動いたAの目がピタリと止まった
不審に思い黒羽がその目線を追いかけると
‘ 君が殺しを嫌っているのは知っているが、命令だ。敵は見つけ次第全員殺せ ’
と首領の字で書類の端に書いてあった
黒羽はふと1ヶ月ほど前の出来事を思い出した
黒羽がAに何の仕事をしているか聞いた時のことだ
『殺し』
今のAの顔はそう短く答えたAの顔と全く同じだった
暗く沈んだ黒い目
噛み締められた唇
影の落ちた顔
「A…?」
黒羽が思わず恐る恐る声をかけるとAははっと顔を上げ
「あぁごめんごめん。こんな時にボーっとしてた。さぁてと、戦略を練りますか!」
と明るい声、明るい表情で言った
だが黒羽の目には暗いAの表情が焼き付いていた
約10時間後2人を乗せたジェット機は抗争地帯に入り、時たま飛んでくるミサイルをかわすため揺れに揺れていた
操縦手はしきりに謝ったが、Aの運転に慣れきってしまった黒羽にとっては穏やかな湖に浮かぶボート並みの乗り心地だった
「じゃあそろそろ降りる準備しよっか」
Aは銃を取り出し、異常がないか丁寧に確認した
そして腰のベルトに予備の銃弾を装備し、最後に二丁の銃を素早く回してホルダーに収めた
防弾服を着て、その上からいつも通り黒いパーカーを羽織る
立ってもいられないような揺れの中でその動作を完璧にこなしたAは窓から外を見つめた
((確かにマフィア側はかなり押されてるね))
黒服のマフィアは迷彩服の軍団と同じくらいの技量だったが、圧倒的に数で負けていた
敵はマフィア側の約3倍といったところだろうか
((でもこのくらいで中原さんが苦戦するか…?普段なら時間はかかるもののこのくらいの差なら殲滅できるはず…))
Aはその疑問に自分で確信を持って答えた
((敵側に強力な異能力者がいれば話は別だけど…ね。中原さんが倒せないレベルの異能か…面白くなってきた))
Aはニヤッと笑って窓のカーテンを閉めた
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信乃☆(プロフ) - ウイさん» ありがとうございます!アニメの方も二期に入りましたね!それとウイ様の応援を糧に頑張っていきます! (2016年10月6日 22時) (レス) id: 6e49df737f (このIDを非表示/違反報告)
ウイ(プロフ) - 良いです!良いです!とっても面白いです! 更新宜しくお願いします! 頑張って下さいね! 応援してます! (2016年10月6日 21時) (レス) id: 22b43887b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:信乃☆ | 作成日時:2016年10月2日 19時