●第玖話 ページ10
「お断りします」
俺たち二人にそう言った女は腕を組んだ
「私家業を手伝っていますので生憎そんな暇はないんです」
「へぇ、何をしているんだい?」
太宰がそう尋ねるとその女は霊相談所です、と答えた
「と言う事で勧誘はお断りです。客としてなら構いませんから私に話があるときはこちらにお越し下さい。10分毎に300円、1時間だと1500円です」
そして俺たちに名刺を渡した
霊相談所スタッフと書かれた下には 神城 A と名前が記してあった
「「神城っつーんだな/Aちゃんって言うんだね」」
また声がかぶる
良い加減うざったらしい
声帯を掻き切ってやろうか
俺が殺意を込めた目で太宰を睨んだが太宰はそれをスルーして
「じゃあまた伺わせてもらうね。夕方6時ならいるかな?」
と神城に言った
「はい。ただし予約を入れておいて下さい。こう見えて人気なんで」
神城はそう言って俺の方に向いた
「中也さんも私に何か用があるならそこの電話番号で予約を入れてからにして下さいね。突然来られてもかなりお待たせすると思うので」
「ちゅ、中也っ…!?」
俺が不意打ちの名前呼びに思わず上ずった声を出すと神城は俺を煩そうに見て
「言い争いの中で聞こえたんであなたの名前だと思ったんですが。もしくは蛞蝓と呼ばせて頂きましょうか?」
と挑発するように片眉を上げた
俺はため息を吐いて神城を睨んだ
女子高生に弄ばれるなど俺のプライドが許さない
「俺は中原中也だ。ポートマフィアの五大幹部の一人。敬意を込めて中原様と呼べ」
神城は鼻でふっと笑った
「それが人に物を頼む態度ですか。良いでしょう、蛞蝓様ですね」
「てっめ…ッ!」
俺は思わずその襟首を引っ掴みナイフを喉に当てた
ツーッと赤い血がナイフの上に垂れる
俺が顔を見上げるとその顔は余裕の表情のままだった
「やめろ中也、彼女を離しなさい」
太宰が俺を睨む
俺は舌打ちをして神城を離した
「次舐めた真似したらぶっ殺す。それじゃあまたな」
そしてナイフの血を拭って神城達に背を向けた
苛立ちが徐々に収まり、何故か罪悪感が襲ってくる
いつもは罪悪感など感じないのに
「チッ…」
俺はその謎の罪悪感を払うように舌打ちをして車に乗り込んだ
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作者名:信乃☆ | 作成日時:2016年12月9日 23時