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○第陸話 ページ7

「これ?何のことですか」



私はわからないふりをしたがその男性は嘘でしょ、と笑った



「さっき君も使ってたじゃないかこれ」



見られてたのか…



私はため息を吐いた



「…結界です。死ぬならうちの学校以外及び私の視界の外でしてください。では」



そしてそう早口で言って校門へと歩き出した



6時までには帰らないとお客様を待たせてしまう



だが今から歩いて向かえば15分程度で着くから余裕だ



「ねぇ君」



___________これ以上厄介ごとに巻き込まないでくれよ神様



私はそう心の中で祈りつつ後ろを振り返った



「そこの校門の前に立ってるチビと知り合い?」



男性はそう嫌そうに校門の方を指差した



「はい?」



知り合いにそんなチビと言われる様な人はいないはずだけど…



私がその指の向いている方を指差すと、一人の男が校門に持たれて腕を組んでいた



知り合い?



ヤダナァ、ワタシナニモシラナイヨ?



と言う茶番は置いておいて、その男は今朝私を追いかけてきた危なそうな黒い男だった



神様私に何か恨みでもあるのかってぐらい超厄介だった



絶対に関わりたくない



「知り合いじゃないんでお構いなく。其れでは」



私はそう言って猛ダッシュで駆け出した



校門はどうしても通らなければいけない



私は顔をその男から必死に背け、シュッとその側を通り抜けた



よし、突破___________



「手前どんだけ俺を待たせるつもりだ。これ以上逃げんなよ」



できるわけありませんよね、はい



私はふわりとした感覚に襲われ、宙に浮いた



「…凄いな」



私は思わず呟いた



なかなかに楽しい



私がふよふよと浮いていると目の前の男はため息を吐いて頭を抱えた



「マジで緊張感ないよなお前。調子狂う」



「其れは良かったです。それで、何の用でございましょうか」



私が尋ねるとその男はクッと人差し指を曲げて私を引き寄せた



うぇい!?と女子高生にあるまじき悲鳴をあげかけたが心の中でなんとか止まった



その男は私を引き寄せた後私の襟首を引っ掴んだ



そして異能を解除した



自分の体重を思い出させられる



重力をひしひしと感じた



というか痛いです



苦しいんでやめてください



まだ浮いてた方が楽しかったです



私は心の中でぶつぶつ文句を言いながらその男を見下ろした

◎第漆話→←◎第伍話


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作者名:信乃☆ | 作成日時:2016年12月9日 23時

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