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◎第卌弐話 ページ44

「あー仕事にやる気が出なーい」



私が回転椅子の背に顎を乗せてクルクルと回っていると国木田くんの必殺理想手帳チョップが飛んでくる



「自 殺をやめたかと思えばこのザマか!いっそのこと何処かで死んでこい!」



「やだよー…あー…Aに会いたいー…」



私がブツブツとそう言いながらまた回り始めると国木田くんがギリギリと歯を食いしばりながら言った



「うざったらしい!今日は休みにしてやるから会いに行くなりなんなりすればいいだろう!!その代わり明日からはきちんと仕事をしろ!!」



私は顔がパァっと輝くのを感じた



「国木田くん!ありがとう!後光が差して見えるよ国木田様!」



国木田くんはそう礼を言うとふいっと目をそらした



「お前がいつまでも仕事をしないからだ!玉砕してこいこの包帯捨て場が!!」



「ちょっと玉砕してこいって酷くない?私今回は本気なのだけれど」



私はそうため息をついたが立ち上がる



「それでは行ってくるよ!また明日!」



そして探偵社のビルから出て、携帯を取り出した



Aは、まだ中也の家に居るのだろうか



電話をかけてみると5コールほど後に電話が繋がった



「あ、もしもしA?ちょっと話________」



「助けて下さい太宰さん…」



だがなんと、電話の向こうから弱々しい声が聞こえた



「ど、どうしたんだい?中也の奴が何かしたのかい?」



私がドギマギしながら尋ねるとAはうーん…と呟いた



「…取り敢えず、その…今から会えませんかね……」



大歓迎さ!



と叫びかけて思いとどまる



Aはきっとあまりガッついてくるのを嫌うだろう



「良いよ。ちょうどお昼時だから何か食べながら話そう。12時に〇〇で待ち合わせしようか」



そう言うとAはわかりました。と言い



「それではまた後で」



と電話を切った



向こうから話したいと言ってくれるなんて……



______……何が、あったんだろうか



晴れやかだった心に暗雲が漂ってくる



中也の奴、Aに無理やり手出ししたんじゃないか



殺気が湧き上がってくるのを感じた



もしそうだったら許さない



Aは、絶対に傷つけさせない



私はそう心に決めて、指定した店に向かった

◎第卌参話→←○第卌壱話


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作者名:信乃☆ | 作成日時:2016年12月9日 23時

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