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○第卌話 ページ42

私はブンブンと頭を振り、ベッドに戻った



だめだ



考えるだけで頭がショートしそうだ



先程から心臓もバクバクと煩く鳴っている



そう、おわかりの通り私の恋愛経験はほぼ0なのだ



こんな友情的にか恋愛的にか判らない好きという一言だけで、心臓が破裂しそうになる程経験皆無なのだ



好きだとか、愛してるとか関わりがなさすぎて漫画の中の世界かな〜なんて思っていたほどの恋愛経験の無さだ



これは夢だ、きっと夢だ



なんて破廉恥な夢を見ているんだ私は



中也さんに好きとか言わせるなんて



寝よう、そうだ寝よう



寝て起きたら中也さんはいつもみたいに私をからかってくるはずだ



中也さんが私を好きだなんてありえない



だって、だってそうだろう



あの人はポートマフィア幹部



私はちょこっと人より変わった能力を持ってるだけの存在感空気の女子高生



ありえない、そう、断じてあり得るはずがない



私は羞恥心に顔を赤く染め、布団に潜り込んだ



パニック状態の心を必死に沈める



深呼吸をすると異常に早かった心拍が静まる



……寝よう



せっかく休みなんだ



私はそう自分に言い聞かせたが、これまで全然意識していなかったベッドから香る中也さんの香りに心臓が波打った



「睡眠薬欲しい……」




私は顔を手で覆った



「なんだ、寝れないのか」



……ん?



何ダロウコノ声ハ



「……どうしたんだ、顔真っ赤にして。熱まだ下がってねぇのか?」



顔を上げると目に映ったのは中也さんの姿



「う、うわぁぁあっ!」



私は思わず後ずさり、忙しく口を開けたり閉じたりした



中也さんが少し傷ついた様な顔をした



「お、俺お前に何かしたか……?」



何かしましたね



あれが夢でない限り貴方は凄まじい爆弾を私に落としていきましたね



「ちゅ、中也さん……ひ、ひとつお聞きしても?」



私が震える声で言うと中也さんが戸惑った様に頷いた



「あ、あの、つい十分程前、私に、その、…す、好きだなんて…言ってません…よね?」



中也さんはそう尋ねた途端顔を真っ赤にした



「す、すいません、気のせいでしたよね。すいません突然気持ちの悪い事を言ってしまって」



だが私がそうブンブンと手を振ると中也さんは何かを決めた様な表情でこちらに歩み寄り、ベッドの後ろの壁に手をついて私を見下ろした



「…聞いてくれないか」

○第卌壱話→←○第卅玖話


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作者名:信乃☆ | 作成日時:2016年12月9日 23時

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