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○第卅玖話 ページ41

目を覚ますと見慣れぬ天井が真上にあった



私はしばらくそれをボーッと眺める



そしてガバッと起き上がった



今何時だろう



昨日に比べて気分はかなり良く、頭の痛みもほとんどない



辺りを見回すとベッドサイドにデジタル時計があった



三連休2日目の、朝5時だ



めっちゃ仕事すっぽかした……



私は頭を抱えた



父には連絡が入っているのだろうか



私はポケットに入ったままの携帯を開いた



通知欄が父からのメッセージで埋められていた



前半は私に何処にいるのやらなんやら聞いてきていたが、後半の文面はお大事にやら依頼は振り替えてもらったよとかだったのできっと誰かが連絡してくれたのだろう



私は父にメッセージを飛ばした



『熱大体下がったから一旦帰って、依頼行く』



すると数秒で返事が返ってきた



『この三連休全ての依頼を振り替えてもらったから、風邪が治るまでそこにいなさい。風邪が治り次第帰ってきてね』



どんだけ依頼振り替えたんだ……



これは次の週末まるまる潰れるな



私はため息をついたがこう返信した



『わかった。帰るときに連絡する』



そしてベッドから体を起こした



火傷はまだ痛むが、目眩はもうしない



気分はよく寝たせいか風邪を引く前より良いくらいだ



布団を整えて寝室から出る



するとリビングで中也さんが寝ていた



毛布がずり落ちている



私はお節介だろうかと思いつつその毛布をかけ直した



そして背を向けたが後ろ手を掴まれる



あのスーツ姿の男を思い出してゾクっとしたが、その手は暖かかった



振り返るとまだ寝ぼけた様な表情の中也さんが呟いた



「……好きだ、A」









___________……!?



私は驚きで固まった



みるみる顔が赤くなるのを感じる



いや、でもこれは友人としてとかだろう



うん、そうだろう



だってありえない



中也さんが私の事を恋愛的に好きだなんて



___________ありえない……よね



私は中也さんに目を向けた



すると中也さんは再び目を閉じていた



……狡い



すやすやと幸せそうに寝ている中也さんの側には一人だけ顔を真っ赤にした私がいた

○第卌話→←●第卅捌話


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作者名:信乃☆ | 作成日時:2016年12月9日 23時

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