○第詩話 ページ5
「……はぁ」
私は騒めく教室に入り、真っ直ぐに自分の席に向かう
久しぶりに全速力で走ったせいか頭が痛い
硬い枕で寝るのはよそう
私はカバンの中を探り、ふかふかの枕を取り出した
持ってきておいて良かった
一番後ろ、窓際の席で私がどんな奇行をしていようが誰も気に留めない
私は幸せな気分で枕の上に頭を乗せ、窓の方を向いて眠りについた
目を覚ますと太陽はとっくに真上を通り過ぎており、横浜の高層ビル群の中に消えようとしていた
時刻は午後五時
…9時間寝れたか
私は満足気に伸びをし、ガランとした教室を見回す
見事に誰もいない
そして教室の鍵は閉まっている
大丈夫、いつもの事だ
私は帰る用意(枕を鞄にしまうだけ)をして窓を開けた
冷たい風が寝起きの私の目を覚ます
私は札を取り出し、窓を乗り越えてちょうど足幅程度の淵に立った
今日は何かがあって部活が無いのか生徒の姿がない
静かな学校もいいな、と思いつつ辺りをぐるりと見渡す
すると屋上に一人の人影が見えた
そこまでは構わない
きっと私と同じ様に寝ていたんだろうとかそんなことを思うことが出来る
だが、その人は私と同じ様に足幅程度の淵…つまりフェンスの外側に立っていた
…今日はとことんツイてない
目の前で自 殺されるのも気分が悪い
私はもう一枚札を取り出し、宙へ放った
それと同時に人影が屋上から飛び降りた
私の見ている中、札がその人の下に滑り込み結界を展開する
柔らかく作られた其れは落ちてくる人を地面の50cmほど上で受け止めた
私は其れを確認し、自分も窓の淵から飛び降りた
そして同じく柔らかい結界で衝撃を和らげ、上履きを履き替えた後その落ちてきた人の元へ向かった
するとその人は興味深げに結界をツンツンつついていた
…見えてるのか?
私はその人の側にたった
驚いたことにその人は生徒ではなく先生でもなくただの一般人だった
ボサボサの蓬髪に砂色のコート、そしてそこら中に巻かれた包帯
…なんで一般人が関係もない学校の屋上で飛び降り自 殺をしてたんだ
私がジトッとその人を見るとその男性は振り返って私にニコッと笑った
「君、これが何かわからないかな」
…面倒臭い
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作者名:信乃☆ | 作成日時:2016年12月9日 23時