●第卅漆話 ページ39
「いけ好かねぇ…マジでムカつく、あの野郎…」
俺がそう呟いてベッドの端に腰掛けるとクスッと言う笑い声が聞こえた
「見事な5 7 5 のリズムですね。前世は有名は歌人ですか?」
俺はその言葉にさっき呟いた言葉を思い出す
いけ好かねぇ 5
マジでムカつく 7
あの野郎 5
本当だ
前世は有名な歌人かもしれない
「冗談飛ばせるっつーことはさっきより気分ましになったか」
俺がそう言うとAは気分は最悪ですよ、と言ったあと続けた
「ただ、なんとなく…誰かと話したくなっただけです」
風邪を引くと人肌恋しくなると言うが、本当のことなのだろう
「はっ…ちょっとは可愛いとこあんじゃねぇか。好きなだけ話せよ。聞いといてやるから」
Aは天井をボーッと見つめながら俺に尋ねた
「なぜ、私があそこに居るとわかったんですか」
「…電車の中で、お前が連れ去られてんのを見た。癪だが場所を見つけたのは太宰だ」
そう言うとAはふっと微笑んだ
「助けてくださってありがとうございます。昔読んだ少女漫画にこんなのあった気がします」
俺はその笑顔に顔が赤くなるのを感じた
「べ、別に…お前だから助けたわけじゃねぇし、ただ面識あるやつが目の前で連れ去られてんのを放っといたら夢見悪いだろ!」
俺は言ってしまってからまた後悔した
なんでこう素直になれねぇんだよ…
だがAはそんな俺をまた許した
「でも、助けてくださったんでしょう?お礼を言わせてください」
俺はその顔をじっと見つめた
胸がバクバクと鳴っている
「なぁ…」
俺は口を開いた
この、溢れそうな気持ちを言葉にして伝えたかった
太宰に取られる前に、此奴を自分のものにしたかった
この腕で、抱きしめたかった
だが、俺の口から出たのは掠れた息の音だった
「…どうしたんです?」
Aが訝しげに首をかしげる
「…いや、何でもねぇ」
俺は口を噤んだ
怖かった
幾度も死の淵を切り抜けてきた
銃口を向けられても恐怖など感じない
だが、Aに嫌われるのだけは
___________その、何百倍も怖かった
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作者名:信乃☆ | 作成日時:2016年12月9日 23時