霊感系女子と双つの黒【双黒】 (ページ17)

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◎第拾陸話ページ17

国木田くんは気持ち悪そうに私を見たが、ため息をつき手帖を繰った

「今日は厄介な依頼があってな。なんでも廃病院から夜な夜な叫び声が聞こえるとかどうとか…」

その言葉にAちゃんの顔が思い浮かんだ

「あ、その依頼解決できそうな人知ってるよ？」

その言葉に国木田くんが眉を潜める

「どうせお前の知り合いと言ったら下らない法螺吹きだろう。もっとまともな奴を______」

「法螺吹きなんかじゃないよ。彼女は本物だ」

私がAちゃんにもらった名刺を差し出すと国木田くんが目を見張った

「これは…今かなり人気の除霊師だろう？何故この方がお前などの知り合いなのだ」

「うふふ、内緒」

私はそう言って笑った

「…だが、予約はかなり前にしないと取れないと聞いた事があるのだが」

そのような事をAちゃんも言っていた気がする

「ふむ…聞いてみるよ」

私は仕事用と迷ったが、プライベート用の方に電話をかけた

そっちだと私だと気づいてくれるだろう

3コール目で電話は繋がった

「はい、神城です」

「やぁAちゃん？一寸頼みごとがあるのだが…良いかね？」

私がそう言うとAちゃんは暫し間を開けた後

「今日の夜中３時から５時なら空いてますけど」

と答えた

私は国木田くんを見た

国木田くんは少し迷ったが頷いた

「じゃあその時間で構わないよ。詳しい話はその時にするから、時間になったら私が迎えに行くね」

私が告げるとAちゃんははい、と返事し

「霊関係の仕事であれば１時間3000円ですからね」

と念を押して電話を切った

前１時間1500円と言っていたのはサービス価格だったのだろうか

私が国木田くんに振り返ると国木田くんは驚きで口をぽかんと開けていた

「１時間3000円…！？」

そしてそう呟いたかと思いきや手帳を猛スピードでめくり始めた

「確か１時間20000円だったぞ！？」

私は驚いた

これもかなりのサービス価格だったようだ

そして彼女が自分を特別扱いしてくれていることに少し嬉しくなった