Tomorrow's Moon will be Beautiful 【中原中也】

◇２７ｂｉｔ ページ29

私は首領に電話をかけた



「…久しぶりに本業復帰します」



その一言で伝わったようだ



『そうか。活躍期待しているよ』



首領はただ一言そう言って電話を切った



了承はでた



あとは暴れるだけだ



久々の殺しに血が沸き立つのを感じた



やはり、面倒でやる気になる時は少ないが



_____この私をキレさせた報い、とくと味わえ



私の手の中でパチパチと電流が流れた



「っははは！良い、良いねぇ。最高だ！」



私は心の残忍な部分が頭を擡げるのを感じた



「今宵は…前夜祭といこうか！」



私は監視カメラを通ってその武器商人の部下のもとに降り立った



「な、なんだお前は！」



数十人の男が私に銃を構える



私はニヤリと笑って指を鳴らした



その途端ブレーカーが落ち、電気が消えた



パニック状態に陥った男たちの心臓を白い閃光が貫く



男たちは体を強張らせて息絶えた



「やっぱり、感電死っていいねぇ。汚い血を見なくて済む」



私は増援も同じ手段で倒す



これが、私の異能のもう一つの姿



自在に電気を操り、雷並みの電圧を誇る電流を発生させる



皆人間である以上、いくら世界一強い男であろうが雷の前では成すすべもなく感電死する



青白い光がパチパチと爆ぜる



「死にたい奴からかかってきな。『忌月』が相手するよ」



男たちを雷が貫いた









「♪♩〜♩♪♫♩♫〜」



大通りを私は口笛を吹きながら通り過ぎていく



私が通った後の電灯は一つ残らずその光を失う



賑やかだった大通りが静まり返り、ただ私の口笛だけが辺りに響き渡る



私がパチンと指を鳴らすと空に光る文字が現れた



《Tomorrow's Moon will be Beautiful 》



それと同時に街に明かりが戻る



これを見た国際警察は緊急体制を敷くだろう



何しろあの悪夢が帰ってくるのだから



「っふふ…最近ストレス溜まってたからなぁ…良い解消になるだろうな」



私は今すぐ跳ね踊りたくなるほどの高揚感に包まれた



だが、ゲームはハードモードじゃなきゃ詰まらない



一夜待って、その間にダンジョンのレベルが上がることを祈ろう

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