◆14bit ページ16
俺がスクランブルエッグを炒めていると階段の軋む音がし、Aが現れた
「改めておはようございます。部屋は客用のお部屋をお借りしました。ありがとうございます」
「あぁ、俺こそ昨晩はありがとな。先座っといてくれ、すぐ出来る」
昨日は下ろしていた髪をアップに結っていたAは昨日と違って活発そうなイメージがしたが、変わらず綺麗だった
そしてAは黒いスーツが良く似合う
インナーの淡い水色のシャツも、紺色のナロータイもAの印象に見事にあって居る
俺は思わず見惚れてしまってから、慌ててフライパンに目を戻した
「お待たせ」
俺が料理を卓に並べるとAが少し驚いたようにそれを見つめた
「…朝から、豪華ですね」
「昨日の詫びだ」
Aは感情表現は確かに下手だが、目を見て居ると若干の感情がわかるようになった
きっと初対面の時も決して瞳は無表情ではなく何らかの感情を抱いていたのだろう
喜び、悲しみ、呆れ、苛つき、驚き、そして憧れ
此奴は、感情が上手く表に出せるようになったらきっと感情豊かなのだろう
いつかそれを見てみたい
いつか愛しさ、という感情をAの青い瞳の中から見つけ出したい
それが向けられて居るのが俺だったら、どれだけ幸せか
「それでは、いただきます」
俺はトーストを齧りながらAを見つめた
Aは何かを考えていた
真面目な此奴のことだからきっと仕事のことだろう
その瞳に俺は映っていなかったが、此奴と食べる飯は一人で食べる飯より何倍も美味しく感じた
「…お前、俺の事どう思う」
俺が突然尋ねるとAは暫し考えて
「変な人ですね」
と言い放った
結構心にきた
が、Aはその後にこう続けた
「でも、初対面の私を家に泊めてくださったり、ご飯を作ってくださったり…とても、優しい方だと思います」
俺は思わず頬が緩むのを感じた
「昔憧れていた中也さんのイメージとは少し違いましたが、実際の中也さんも割と好きです。凄い感情豊かで憧れます」
俺は割と好きですという言葉に胸を高鳴らせたがその後の言葉で苦笑した
まぁそんな事だろうとは思ったが
「…ご馳走様でした。それではお先に失礼します。また本部で」
Aは自分の分の食器を片付けて玄関を開けた
「あぁ、行ってらっしゃい」
今は、これを言えるというだけで幸せだ
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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黒崎雪兎(プロフ) - 千一夜の方も読ませていただいております。どの作品もとても面白いです。これからも応援しています。とても素晴らしい作品をどうもありがとうございます! (2017年4月8日 15時) (レス) id: ca4c1fbb9e (このIDを非表示/違反報告)
信乃☆(プロフ) - 天さんさん» そこまで言って頂けるとは……!本当に作者冥利に尽きるというものですね!!そういったコメントを頂けるとドン引きどころかむしろ私がテンション上げまくってドン引きされそうです……w本当にこんな素晴らしいコメントを頂きありがとうございました! (2016年12月28日 15時) (レス) id: 6e49df737f (このIDを非表示/違反報告)
天さん - 評価1票だけじゃ足りません!なんて書けばいいか分からなくなるほど叫びました!本当に、この作品に出会えて良かったです…ありがとうございました!もっともっとこの作品について語りたいですが、ドン引き間違いなしなので、最後に、本当にありがとうございました! (2016年12月28日 13時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)
信乃☆(プロフ) - 莉猫さん» ありがとうございます!リクエストも受け付けておりますので何かご希望があれば是非リクエストして下さいね! (2016年12月18日 1時) (レス) id: 6e49df737f (このIDを非表示/違反報告)
莉猫(プロフ) - すごく良かったです!とても微笑ましく、ロマンティックなお話でした! (2016年12月18日 0時) (レス) id: 7c2539bb5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:信乃☆ | 作成日時:2016年12月1日 6時