【srr】ふっわふわ③ (ページ27)

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１２３話ページ27

貴方視点
「え、なに？緊張してるの？」

なんで彼方はそんな余裕そうなのかな？？？？

『べ、別に…っ！』

緊張してない。そう続けるはずの唇は塞がれていた。

「約束する。俺、一生離れてあげないから。」

…こんなの。

こんなの、さぁ…！

『ずるいやろ！！！！！』

「おぉ、方言。」

そこ！？

まぁどっかの赤い人にでもうつされたんだろうな！

「ふぇっくしょぅい！」

「わわ…っ、さかたん、しーっ…！」

「あ、すまん。」

「じゃ、これからも末永くよろしくな。」

『…こちらこそ。』

こんなに人がいるのに、飄々とそんなことを言える彼方はすごい。

ま、そういう所も…。

…いや、なんか癪だからやめよう。

『はぁ〜！疲れたぁ！！！』

用意されていたホテルでお酒を飲む。

ドレスはとっくに脱いで簡単なワンピースに着替えさせられた。

「式終わったからって飲み過ぎるなよ？」

彼方もタキシードからラフな服装に戻っている。

そういう彼方だって結構飲んでるくせに…。

不満気な表情になっていたのだろう。彼方は苦笑した。

「…Aはザルだし、今日はとことん飲むか。」

『やったーっ！』

…そう、考えないようにはしていたのだが。

今日は、その…初夜というやつ。

やけに熱い体を冷やすため、シャワーの水温を下げた。

…うん、だいぶ落ち着いてきた。出よう。

『彼方〜、お風呂空いたよ。』

「おー。」

スマホの電源を切ってバスルームへ来る彼方。

私は彼方の隣を普通に通り過ぎよう、と思っていた。

…が。

すれ違いざま、肩を抱かれたのだった。

『…っえ、』

そして頬をキスした。

『え、は…ちょっ、彼方…！？』

「はははっ」

するりと私から離れてバスルームへ消えていく彼方。

…くっそ、やられた…っ！

なに！？彼方がお風呂に入ってる間私は悶々としてろとでも！？

やけに紳士だと思ったんだよ！

ふらふらとした足取りでベッドに横たわる。

…別に、こういう行為が初めてなわけじゃない。

玲央だけってわけでもない。情報を吐かせるためにしたことだってある。

やっぱ好きな人と…だからかなぁ…！

くっ…！これじゃ彼方の計画通りじゃないか！

こういう時はどうすれば…あ！円周率だ！

『3.14………………っ…。』

だめだ！！！！最低限しか覚えてなかった！！！！！