【本編】レイスの使者 (ページ11)

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10話【ノイギーア】ページ11

「タイミング悪すぎだろ！」

なんでこんなときに降るんだよ！
幸い、俺には羽衣があるからあんまり濡れないけどさぁ。
別に雨が嫌いなわけじゃねぇけど。
もうちょっと降るタイミングをずらしてほしかった。

雨が降る中、直感を頼りに進んでいくと、目の前にいかにも古そうな建物があった。

「なんだこれ？」
中には人がいるようで、話し声が聞こえる。

「ﾁｯ人居んのかよ」
少しドアを開けて中を見てみる。
そこには、決して少ないとは言えない程の人がいた。
結構多いな。
そんなことを考えていると、その中の一人の女性が俺に気付いたようでこっちに近付いてきた。

「あら、貴方も雨宿りにきたの？」
その女性が言うと、周りも俺に気付いたようで視線を向ける。
俺は咄嗟に短剣を構えた。
この短剣はここに来るまでに拾ったものだ。

「私は貴方と戦う気はないわ」
そんなこと言われても信用できない。
「私はレイ、レイチェル・ブルック。貴方は？」
何となくこいつは信用して良いと思った。
俺の直感がそういってるんだ。十中八九合っているだろう

「…ノイギーア・アーベントイアー。ノイとかノアとでも呼んでくれ」
武器を持ったままそう答えた。

中に入ると見た通り多くの人がいた。
反射的に武器を構え直す。

「そんなに警戒しなくていいんですよ」

なんか不思議な感じの男が言った。

「僕はジョセフ・マーク・ベンソン。神父をしている者です」

神父…？聞いたことねぇ

それに続くように色んな奴等が自己紹介をしてきた。

俺はそれを短剣を見ながら聞いていた。

俺が人の話を聞くのは珍しいな。