第八話 遊戯 ページ10
『!?』
珍しく爆弾発言をした安吾をじっと睨む。
車内では上の階に住まわせる、と先程迄話していたからだ。
「断る。」
「そう言われると思っていました、なので本人を連れて来たんですが、彼女が此の状態だと話が進みそうにありませんね。」
「…どこぞの組織に居た少女でも、特一級異能力者にしろだなんて言葉で、はいそうですかと動く特務課では無いだろう、その少女は何だ。」
「Aさん。」
…如何やら此処からは私自身で喋らないといけないらしい。
一歩前に出て喋ると普段よりも小さい声が出た。
『……私は、ポートマフィアで首領補佐をしていた…安吾とはその時知り合った友達だ。』
『ポートマフィアに属していた四年、私が異能力を使ったのは片手で数えられるくらいだった。私の異能力は極僅かの者しか知らない。』
『今後異能力は使っていく予定だ、異能特務課に保護されているからな。』
『…私は天才だから、役に立てるようにはするさ。』
「っふふ…。」
言い終わった瞬間、安吾が耐えようにも耐え切れず、笑みが口角に浮かんだ。
『なぜ笑う!!?』
「っ、すみません。随分下手に出たと思いまして…」
未だに笑いに堪えている安吾を見て、怒りがこみ上げるが、如何せん後ろから刺さる視線が痛い。
「こんな少女がポートマフィア?更に首領補佐だと?思ったよりもポートマフィアは暇なのか?」
……言葉も痛い。
「今は本調子では無いだけで、彼女は僕でさえ舌を巻くほどの天才です、今からそれをお見せしますよ。」
そう言って安吾は私にこう言った。
「今から数字推測
『…あれは太宰が居ないと成り立たないが。』
そう聞くと、そうですね、と返事を返す。
「綾辻先生とそれをしてください、但し、Aさんは数字を答える側です。」
『……分かった、それでは綾辻先生?今から3回数字を思い浮かべてくれ、桁は何でもいい。』
「ほう。」
私は綾辻先生を見つめる。
『1079。』
『47228。』
『74963947531。』
淡々と数字を答えていく。
その様子を見て綾辻先生は口を開いた。
「……心理学の類か。」
「種を言ってしまえばそうですが、この遊戯がお互い成り立つのは今のところ一人だけです。」
「確かに、自称天才を名乗るだけはあるようだな。」
『自称を付けるな、真逆…この天才を疑うのかい?』
「…漸く本調子に戻りましたか。」
────安吾は呆れた様子で笑った。
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蒼月(プロフ) - ┏( .-. ┏ ) ┓ウリャさん» コメントありがとうございます!面白いと言って下さりとても嬉しいです…!モチベが無くなっていた為、とても助かりました。王子さま良いですよね…私もこの本が大好きなんです…! (9月4日 17時) (レス) id: 371a01970c (このIDを非表示/違反報告)
┏( .-. ┏ ) ┓ウリャ - めっちゃ面白いです!!!しかも異能力名が自分もめっちゃ好きな本なので更に興奮(?)しました。有難う御座います!!! (9月4日 0時) (レス) id: 2c963f022d (このIDを非表示/違反報告)
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