第五話 推理 ページ7
珍しく冷静さを欠けるが、それも
「どうやったんです?」
『簡単な答えだよ、異能を使った。』
安吾は目を僅かに見開いた、彼女の異能は未来予知だと思っていたからだ。
『私は天才と言っているだろう。』
またもや思考が読まれた様に彼女は発する。
彼女はポートマフィアで様々な予言をしたが、その数は二桁では収まらない。
ポートマフィアに属してから四年間
其の凡ての予言を当てているのだから誰もが彼女の異能は未来予知だと思っていた。
────坂口安吾も其の大衆の一人だったのだ。
『もっと天才と崇められてもいいと思うのだがね。』
「…それよりも、異能について教えてください。」
『つれないなぁ…、そういう条件だからね、教えてあげよう。』
『だが、その前に私は君の予想を聞きたい。』
人差し指を立て、Aは此方の目を覗き込んだ。
「……貴女の異能の内容を知っている人は極僅かと聞いています。」
「異能は未来予知だと皆信じて疑わなかった。予言を凡て当てるなんて、人間離れした其れは異能そのものだと。」
言葉を紡ぎながら安吾は思考を巡らせた。
「極僅かな人物しか知らなかった…恐らく其の異能は危険だったから。」
「恐らくこの線で考えて良いでしょう。」
『へぇ。』
彼女は相槌をしながら笑顔で安吾を見つめる。
きっと彼女に伝えると怒られるだろうが…その仕草や笑みはAさんの苦手としている太宰君に少し似ている。
「貴女は織田作さんや孤児達に対してそれを使った。四年間一切異能について情報がなかった貴女がです。恐らく其れは今回のような緊急事態でしか使わない。」
「…ここで手詰まりです、如何せん情報が少なすぎる。」
『それは今回で分かったまとめだろう?危険ってことしか解らないじゃないか!』
ぶーぶーと口をとんがらせて文句を言う彼女に対し、解らないんだから仕方ないでしょう、と溜息を吐いた。
「其れで、答えは如何なんです?」
その答えに対し、彼女は俯いた。
「Aさん…?」
『…そうだ!こうしようじゃないか!』
彼女は何か納得のいった顔をして、安吾の机に手を置き、勢い良く近づいた。
『綾辻行人、あの探偵が私の異能を当てたら教えてあげよう!』
「…条件が違う…。」
坂口安吾は今日だけで数え切れない位に溜息を吐いた。
────誰も彼女を止められない。
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蒼月(プロフ) - ┏( .-. ┏ ) ┓ウリャさん» コメントありがとうございます!面白いと言って下さりとても嬉しいです…!モチベが無くなっていた為、とても助かりました。王子さま良いですよね…私もこの本が大好きなんです…! (9月4日 17時) (レス) id: 371a01970c (このIDを非表示/違反報告)
┏( .-. ┏ ) ┓ウリャ - めっちゃ面白いです!!!しかも異能力名が自分もめっちゃ好きな本なので更に興奮(?)しました。有難う御座います!!! (9月4日 0時) (レス) id: 2c963f022d (このIDを非表示/違反報告)
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