第三話 鉱物の意味 ページ50
綾辻は事務所に戻り、Aに先程起こったことを伝えた。
『嗚呼、彼女に知識があって何よりだ。』
「何をしたんだ？」
綾辻はそう訊ねると、彼女が説明をする。
『まず君が贈られた物を解説するよ。』
彼女は目を瞑りそう云うと、ゆっくりと目を開けた。
『最初に贈られたのはローズクォーツ、次にガーネット、そしてスファレライトと共に桑の花。』
「……ああ。成程。」
綾辻は顎に手を当て、呟く。
『名前を教えただけなのにもう理解できたのか。』
『宝石言葉は渡された順に、愛を伝える、束縛、裏切者……そして桑の花言葉は、』
「“共に死のう”ロミオとジュリエットの物語の元となっているのが花言葉の由来。そうだろう？」
『流石だ。』
そう云うと満足そうに笑う。
「だが、A君が渡した宝石は何だ？青い宝石だったが。」
『────ホープ・ダイヤモンド。』
綾辻は其れを聞いて目を見開く。
「……驚いた。あれはアメリカの国立自然史博物館に寄贈されていなかったか？」
『一時的に貸してもらった。後で返す約束をしている。』
「……其れは彼女もあんな反応になるだろう。」
天才である彼女は妖しい微笑みを浮かべた───。
✁┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
伏線の解説
《桑の花も添えたんです、綺麗ですよね！そう云う顔は分かりやすく、ホオズキの様に赤く染まっている。
「ああ。とても綺麗だった。あの宝石は何て云うんだ？」》
ホオズキの花言葉:偽り、ごまかし
綺麗だったは表向きの言葉で、実際は不気味に感じていました。
《内緒と答える彼女からは何時もラベンダーの香りがする。》
ラベンダーの花言葉:あなたを待っています、期待
《愛を伝える、束縛、裏切者、共に死のう》
彼女は愛を伝えた、束縛したいという気持ちがありましたが、天才と呼ばれる女性の存在を知り、裏切られたという感情が湧きます。実際は接待されていただけなんですけどね。
真実を知った彼女は共に死ぬつもりでした。彼女は事故と判っていても、嘘をついて無理矢理日付を伸ばそうとしていたのは……何かを企んでいたのでしょうか？
《『────ホープ・ダイヤモンド。』》
呪いのブルーダイヤ。持ち主は不幸になると云われ、持ち主は十数人も死んでいる。
世界最大のダイヤモンドとも云われていた為、宝石に詳しい彼女が知らない筈がない。
続編移行します。ありがとうございます！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 69人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蒼月(プロフ) - ┏( .-. ┏ ) ┓ｳﾘｬさん» コメントありがとうございます！面白いと言って下さりとても嬉しいです…！モチベが無くなっていた為、とても助かりました。王子さま良いですよね…私もこの本が大好きなんです…！ (9月4日 17時) (
レス) id: 371a01970c (このIDを非表示/違反報告)
┏( .-. ┏ ) ┓ｳﾘｬ - めっちゃ面白いです！！！しかも異能力名が自分もめっちゃ好きな本なので更に興奮(？)しました。有難う御座います！！！ (9月4日 0時) (レス) id: 2c963f022d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
