第三十九話 最高 ページ41
其れを聞くと、太宰治は二年前のAの意図を漸く理解したのだった。
殺人事件の犯人を見抜くと“必ず犯人が事故死する”？
「そうか、Aちゃんは昔のしたことに対して……けりを付けに行ったのか……。」
太宰がそう呟くと、社長が反応した。
「彼女は人を殺したことがあるのか？」
「……正当防衛ですよ、彼女は殺されかけた。だから殺してしまったんです。彼女が幼少期の頃の話ですがね。」
「……正当防衛でも殺人には変わらない、そう考えた。だから彼女は罪を暴く異能により死にたがったってこと？」
恐らくは。乱歩の問いにそう云いながら太宰は頷いた。
だが、其れを知ったからといって、誰もAのことは止められない。
だって────彼女は政府により監視されている。本来ならば、忍び込むことすら許されない場所なのだ。
政府以外の者は誰にも止められないし、正当防衛とはいえ殺人罪を情状酌量無しで異能により必ず裁かれる。
────まさに其処は最高の死に場所だろう。
政府にとって、彼女の異能は脅威であり、使える異能だ。
直ぐには殺さず、扱き使わせてから死なせる方が良い筈……だから死ぬまでの猶予が四年なのか？
様々な思考を巡らせたって、彼女の死を止めることは不可能だ。
太宰は既に正義の道を歩いてしまった……凡てを無理矢理奪ってきたあの道に戻ることは出来ない。
────何故今なのか。
「……これも全部、君の手のひらの上なのかい……？────Aちゃん。」
太宰治は嗤う。
其れは、2年前から、4つ下の14歳である少女に掌で踊らされていたのを。それから2年後の今、太宰が20歳になって気付いたことに対しての嗤いだった。
────もし、2年前に気付いて其の計画止めることが出来たら、何か変わっていたのだろうか。
天才は嘲笑する。
漸く気づいたのか──？と。
────2年前と変わらず、彼女の思考は彼女と神のみぞ知る。
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蒼月(プロフ) - ┏( .-. ┏ ) ┓ｳﾘｬさん» コメントありがとうございます！面白いと言って下さりとても嬉しいです…！モチベが無くなっていた為、とても助かりました。王子さま良いですよね…私もこの本が大好きなんです…！ (9月4日 17時) (
レス) id: 371a01970c (このIDを非表示/違反報告)
┏( .-. ┏ ) ┓ｳﾘｬ - めっちゃ面白いです！！！しかも異能力名が自分もめっちゃ好きな本なので更に興奮(？)しました。有難う御座います！！！ (9月4日 0時) (レス) id: 2c963f022d (このIDを非表示/違反報告)
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