検索窓
今日:87 hit、昨日:21 hit、合計:42,773 hit

第三十八話 約束 ページ40

「其れって、本当かい……?」



その音の正体は太宰だった。
目を見開き、驚いた表情で此方に訊ねた。



「そ、そうですけど……」



物凄い剣幕に押されながらも、彼は答えた。



「人を吊るすような拷問紛いな事をして笑って、天才だと自称するAちゃんって子は、一人しか知らないのだけれど……」










「────その子はAA、であってるかい?」




「ああ!確かにそう名乗っていた気がします!」


思い出したかのように谷崎は答えた。





「太宰も知っているのか。Aちゃんの事。」


「……ええ。乱歩さんも真逆、御存じだったとは……」


「甘味処で一時期会っていた事がある、だけど二年前、彼女とはそれっきりだ。」



そう説明すると、太宰は納得した。


「……Aちゃんとは私も二年前から会っていないです。彼女は、二年前に行方を晦ますと云って、皆には死んだと伝えてくれと伝言を頼まれていたんですが、真逆、まだ生きていたなんて……」






「あ。」



谷崎は気付いた。吊るされていた時に……彼女は或ることを云っていたと。





《『どうせ彼奴のジサツ嗜癖(マニア)は変わっていないんだろうな……アレが上司だなんて酷く同情するよ。』

「ジサツ嗜癖?まるでA君のようだな。」

『彼奴と一緒にしないで貰いたい。其れに、二年前に殺してくれと言ってから一度もジサツをしていない……私は二年後に君に殺して貰えると信じて待っているんだよ。』


「…心配せずとも約束の二年後────君を殺す。」

『其れは重畳。二年も一緒に居て、親近感を覚え殺せなくなった…となると困るからな。』》






「…………彼女は、二年後……殺される?」




谷崎はそう呟くと、其れを聞いた太宰の眉に皺が寄る。


「其れは、如何いう意味だい?」




「……あの人は、死にたがっていたんです────殺してくれと約束を、綾辻行人という探偵に結び付けていて……二年前から其の約束があったようで。二年後には殺されると。」






太宰は考える。何故その人物じゃないと駄目なのかと……。

少しすると太宰は口を開いた。





「その男に異能力は……?」



「えっと、確かあった筈です……待って下さい、今メモを……」


谷崎は急いでポケットから出してメモを見る。















「綾辻行人の異能力は────《another》…殺人事件の犯人を見抜くと“必ず犯人が事故死する”」

第三十九話 最高→←第三十七話 探偵社



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (39 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
69人がお気に入り
設定タグ:文豪ストレイドッグス , 文スト外伝 , 綾辻行人   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

蒼月(プロフ) - ┏( .-. ┏ ) ┓ウリャさん» コメントありがとうございます!面白いと言って下さりとても嬉しいです…!モチベが無くなっていた為、とても助かりました。王子さま良いですよね…私もこの本が大好きなんです…! (9月4日 17時) (レス) id: 371a01970c (このIDを非表示/違反報告)
┏( .-. ┏ ) ┓ウリャ - めっちゃ面白いです!!!しかも異能力名が自分もめっちゃ好きな本なので更に興奮(?)しました。有難う御座います!!! (9月4日 0時) (レス) id: 2c963f022d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:蒼月 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2023年8月26日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。