第二十二話 前哨戦 ページ24
「扉が勝手に開いたので館の中には入れましたが……しかし暗いですね。」
谷崎君がそう言うともう一度声が聞こえた。
「《第一問》」
「?この声は……肉声ではありませんね。」
「ああ。何処かの装置から再生されている音声だ。」
辻村さんがそう言うと綾辻先生が答える。
「静かに。続きがありそうじゃ。」
「《A,B,C,Dの4人が1対1の戦いをした。戦いは昼に1戦、夜に1戦行われた。
A「Bは勝った」
B「Cは負けた」
C「Dは昼戦った」
D「Aは夜戦った」
自分の対戦相手についての発言だけが真実である。
4人の勝敗と戦った時刻を述べよ。》」
────其の音声が流れると同時に入口が閉まる。
その音により谷崎君と辻村さんは吃驚したが、直ぐ様辻村さんは入口の扉に近づく。
「押しても引いても開きません!」
「《制限時間は5分。では、開始せよ。》」
簡単な論理問題だ。
少し考えると答えは直ぐにたどり着いた。
綾辻先生と京極夏彦さんは未だに悩んでいるが、謎は既に解いたのだろう。
どうやら答える以外に道があるかを探しているらしい。
「かっかっか。知恵較べの前哨戦という訳か。」
「た、戦い?4人がそれぞれ戦って……昼と夜?」
「ちょっと待ってください……仕事道具のメモがあります。問題文を書いて、もう一度……」
『必要ない。』
谷崎君の発言を遮ると、え?と焦っている2人の声が聞こえた。
「どう思います?京極先生?」
「ふむ。今のところ典型的な論理問題のようじゃ。答えねば先に進めぬという訳か。」
『第一問、と云っていたという事は…恐らく次もある。』
色々思考を巡らせ考えていると、辻村さんが会話に入る。
「あの、御三方……制限時間は5分らしいので急いで解いた方が。」
「五月蝿い。A君の必要ないという意味が分からなかったのか?問題なら既に解いた。」
「儂もじゃ」
『私も同じく。』
そう云うと辻村さんは目を見開いて、息を吸う。
これは叫ぶな……そう思った瞬間、耳を塞いだ。
「えええええ!?5分どころか、30秒も経っていませんよ!?」
「俺を誰だと思っている。10秒もあれば十分だ。」
「儂は5秒じゃ。」
『流石先生。私は20秒もかかってしまった…。』
信じられない──というような目で2人は見つめてくる。
綾辻先生がこの程度の問題を解けなくてはどうする……、と呆れて辻村さんを見つめた。
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蒼月(プロフ) - ┏( .-. ┏ ) ┓ウリャさん» コメントありがとうございます!面白いと言って下さりとても嬉しいです…!モチベが無くなっていた為、とても助かりました。王子さま良いですよね…私もこの本が大好きなんです…! (9月4日 17時) (レス) id: 371a01970c (このIDを非表示/違反報告)
┏( .-. ┏ ) ┓ウリャ - めっちゃ面白いです!!!しかも異能力名が自分もめっちゃ好きな本なので更に興奮(?)しました。有難う御座います!!! (9月4日 0時) (レス) id: 2c963f022d (このIDを非表示/違反報告)
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