人の温もりを知らない少女は…【おそ松さん】【トド松】

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一松「…あのさ。」

私？

一松「なんで…クリスマスの日、雪に埋もれてたの？」

ギクッ。

「あ、えと…マンションから追い出されて…彷徨っていたら、雪が落ちてきて…」

一松「…ふ〜ん。」

そう言うと、一松さんは外の方に目を移した。

え、話それだけ！？

いやいや…聞きたかっただけだし…まぁ、そんなもんだよね。

でも本当は…







三日前。

やっぱりその日も、激しい暴力に襲われてて…沢山言葉も吐かれた。

皆、カッターナイフや鉄パイプを扱いながら。

モブ「ハッ…ほんとクズだよな…」

モブ「でもさ、コレのおかげでさストレス解消になるしな…」

モブ「言えてる！ほんと、いい道具。何も言わないし、【人形】みたいだな。」

人形か…似合ってるんじゃない？

だって本当に何も言わないし…

でも、これで最後の暴行。

やっとココから逃げる手立てを見つけたんだ。

それは、この部屋にある子供がやっと入れそうな程の小さな換気口。

私の体は普通の人より細い。自慢じゃないけど…栄養が足りてないからその分細い。

そこで私は誰もこの家にいない、午後五時にここを出ることにしている。

決行の日は今日。

クリスマス、か。

外はキラキラと輝く白い雪が踊るように舞っていた。

姉さんが死んだ日も、雪が降っていたっけ。

モブ「何考えてんだよ！」

蹴りがちょうど腹部に当たり、咳き込む。

モブ「あ〜、楽しかった！明日もよろしくな。【人形】。」

はぁ…はぁ…これで、やっと逃げられる！

出て行ったのを確認してから外に出る。

ゆっくりと、体を捩じらせながら…焦らずに。

暗く狭い、場所に一筋の細い光が見えてきた様な気がした。

そして、外に出て…

路地裏で倒れて、

一松さんに助けられて…

今ここに居る。

でも、見つかったら…

今度こそ、あの人たちに殺されるだろう。

だから…今だけは…

私は拳をギュッと握り、前を向いた。

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