人の温もりを知らない少女は…【おそ松さん】【トド松】

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私には一人の姉がいた。

姉はなんでも出来て明るい人だった。そして美人。

対して私は、勉強も運動もダメ。いつも姉と比べられていた。

「なんで、お姉ちゃんが出来るのに貴方は出来ないの？」

「月とスッポンね。」

よくそう言われた。






でもそんな私に姉は何時も微笑み掛けてくれた。暖かい日差しのような目で。

そんな姉が大好きだった。

姉がいたから、辛いいじめにも、毎日の親からの虐待。全部耐えることができた。

傷をたくさん作って帰ってきたら、包帯を丁寧に巻いて…

話も聞いてくれて…

励ましてくれて…

唯一、私の味方だった。

でも。神様がこんな私に味方する訳でもなく、悲劇は起こった。









月日が流れて私が六年生、姉が中学一年生の時だった。

ある日私と姉が仲良く学校に登校していた時だった。

いつも通りたわいのない会話をして、一つ目の交差点を曲がろうとした。

その時。

信号無視した車が私の横をよぎった。

動けなくて目を瞑った。

なんの振動もなく

ゆっくりと

目を開けた。









そこには紅くなった姉が車の下敷きになっていたのだ。

姉が私をかばって車に引かれてしまった。

私のせいで、姉が死んだ。

罪悪感が身体中を巡って…

アスファルトに紅い血が照り輝き、私の声だけが街中を駆け巡った。









三日後。

姉の御葬式は、出させてもらえなかった。





ガチャリと扉の開く音が聞こえた。

目の前にいたのはお父さんとお母さん。

手にはカッターナイフとバットが握られている。

そこで私の意識は途絶えた。




次目を覚ました時は拘束されていて、体は傷だらけで、目の前には沢山の人がいた。

ドン、ドカッ、バコン。

様々な音が奏でられる。









「あの時お前が死ねばよかったんだよ！」

「お前なんか元々要らない存在だったんだよ！」

「一生償え！このゴミが！」

「痛いなんて言ってんじゃねーよ。」

「ゴミは喋るな。」

「ごめんなさいも言えないのぉ？」

「ゴミ以下だな。ww」

「宇宙のチリ？って奴？」

「ハハハ！それな！」









目を瞑れば次々と思い浮かぶ言葉。

死ね・ゴミ・宇宙のチリ。

私にピッタリな言葉。

でもどうして…





涙が止まらない？









目を開けてみる。

いつもと違う部屋。

見慣れない和風の家。

天国ではなかった。

このまま死ねばよかったのに。

そうすれば姉さんへの償いが出来ると思ったのに。

神様は意地悪だ。

．

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