その少女、列車恐怖症【煉獄杏寿郎】 (ページ12)

今日:10 hit、昨日:11 hit、合計:96,109 hit

Step 10 ページ12

【sideA】

残りの授業を終え、今はホームルーム。

現代文難しすぎた……でも、やっと家に帰れる。まぁ歩いて帰るんだけど。

最近出ている不審者の話、次の定期考査の話、数ヵ月後にある修学旅行の話。

あまり興味のない話が多々。

きっと、それが学校というもの。

ホームルームが終わり、荷物を鞄に詰め込む。

うちのキメツ学園は放課後の決まりなどは特になく、カラオケに行ったり、バイトしたり、各々のやりたいことをやっている感じだ。

『またね、カナヲ』

「うん。またね」

カナヲに手を振り、昇降口まで歩く。

カナヲは今日は女子バスケ部の手伝いらしい。

ローファーに履き替え、つま先をトントンと合わせていると。

「あっ、こんにちは！日野浦先輩ですよね？」

『君はたしか……竈門炭治郎君？』

「はい！カナヲ先輩からよく聞いています」

わぁ、私のことも2人の話題になってたんだ。

しかもカナヲ先輩って……名前呼び。。これ脈アリだと思うよ、カナヲ。と心の中で問いかける。

『炭治郎君は、今何をしてるの？』

「今は、煉獄先生とお話をしています！今日はハイデモの練習もお休みなので」

「む、日野浦少女！授業ぶりだな！」

私は、また会いましたね、と言い笑う。

ちなみに、ハイデモは"ハイカラバンカラデモクラシー"という、炭治郎君達が組んでいるバンドのこと。

演奏は聞いたことないけど、とにかくヤバイって聞いてる。

練習とかどうなってるんだろう？

『へぇ、そうなんだね。何の話をしてたの？』

「さっきまでは家のパン屋の話をしてたんです。新作を思いつこうともなかなかいい案が出なくて……」

「だから、俺が炎の形をしたパンを提案し、詳細を考えていたところだ！」

炭治郎君のパン屋さんの内部の話は、そんなにお客さんとなる私たちに話していいものなのかな……と心配になった。

でも、炎のパンかぁ。煉獄先生っぽいな。

『あ、なら、炎の形に生地を形にして、その中にカレーとかいれるのはどうかな？』

そう言うと2人は「いいね！」と同時に頷いた。