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「A、受けてくれるか?」


























「国木田五月蝿い。受ければ良いんでしょ?」













社長の前でも堂々としていられるのは正直云って凄いと思う。彼処迄強い口調で云って仕舞えば流石に国木田君も黙る。社長は何時も通り冷静だ。

Aが頼まれた仕事は、とある事件の捜査の手伝いで、Aはそれを頑なに拒んでいた。理由は私も納得できる。何か臭うのだ。きっと面倒な事が起きる筈。
「…社長、」Aは席を立ち、社長の近くに行き、頭を下げる。「異能力の使用許可を。」

「?!」
「?!」

Aが発言した後、国木田君の怒鳴り声が聞こえた。Aは意思の通った瞳で社長を見る。きっとAなりに考えがあるのだろう。でもその要望は絶対通らない。『社員が人を殺す』何て、社長の望む事ではない。何処ぞのマフィアとは違うんだ。でもAにその手の情があるわけない。あの日記帳がその証拠だ。日記の数だけ人が死んでる。
「武術や短刀の使い方は教えた筈だが。」
「社長は怪しいと思わないんですか。それとも私の実力を試してるとかですか。」社長と合わせた眼を逸らさない。「人の死が如何とかなら異能特務科でも背後に置いとけばいいじゃないですか。」

「その必要はない。」

社長の一言に、会議室に重い空気が押し寄せてきた様な気がした。Aは口を閉じ、右の瞳から涙を流した。紅玉色の瞳から流れる涙は、瞳と同じ色に染まった様に見える。Aが口を開く。
「……、はは、…そうですか。唯本当の自由が欲しかっただけなのに..。」ボソりと呟く。「……判りました。依頼は引き受けます。」
Aは静かに座る。力が抜けた様にも見えた。
長い黒髪が小さく揺れる。Aは涙を拭い、また何時もの表情に戻った。




「、それでは、会議を終わります。」
国木田君の声が響く。それと同時に会議室にいる四人が席をたつ。
「んー!やーっと終わった!良かったねぇ国木田君!予定が乱れずに済む!」
「黙れ太宰!抑お前が面倒事を押し付けるから!」
国木田君の怒声をスルーして鼻唄を唄う。

Aが不安そうな顔で佇んでいた。


伍→←参


ラッキーカラー

あずきいろ


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作者名:Utsuro x他1人 | 作成日時:2017年8月29日 17時

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