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恋8 ページ8

「私、好きになった人がタイプ…?っていうのかな。明確にこんな人が好きって、ないんだ…」

ま、まじかよ…
じゃ、え?無理じゃんっ!!!

「え?」

明らかに染谷も動揺している。
俺だってそうだ。
それに周りのやつも陰ながらあからさまにがっかりしている。

「その…ごめんね…?」

ゔっ…上目遣いで謝ってる、
あー、俺が染谷の立場だったらなぁ。
Aちゃんのあの顔独り占めできるのに…

「ふ、ふふ…あははっ!」

「えっ…?」

「大丈夫だよ、謝らないで。…そっかぁ、僕がAちゃんのタイプになるにはまだまだかかりそうだ」

「あ、うん…そう、なのかな」

「うん。だからさ、まずはお友達から。初めてほしいな」

「あ!うん!よろしくね、ひなたくん!」

「はは、よろしくね」

うわ、うわうわうわうわ。
染谷名前で呼ばれてる!!!
俺…大丈夫なのか?




それから、学校中でAちゃんのタイプになるべく奮闘する男子が後を断たないのはいうまでもない。なんなら俺もその1人だ。

「…じろちゃん、まだチャンスはあるって」

「そーだぜ!がんばろー!」

「俺、あの男に勝てる気しねぇ…」

「じろちゃーーんっ」

こうやって俺の波瀾万丈な恋物語は幕を開けたのだった。

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作者名:音夜 | 作成日時:2021年2月27日 1時

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