あの日出会った君はまるで天使のようで。 (ページ45)

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恋42 ページ45

「…というわけでして。決して疾しい感情も下心も何もないただの善行ですよ、わかりましたか?」

「……おう…」

正直まだ気に食わねぇけど、こいつはAちゃんの親父さんの友達でたまたま迷ってたところを見かけただけ。

ああ、そうだ。それにこいつは29のオニーサンでコームインだ。未成年になんざ手ェ出したら終いだもんな。ああーそうそう。

「じゃあAさん、私はこれで。野外学習楽しんでくださいね」

「はい！お世話になりました」

入間銃兎はニコッと人当たりのいい笑顔を見せて車に戻って行った。

「みんな、ごめんね…？」

「もーA、これからは気をつけないとだよ～？」

「はぁい」

Aちゃんは安藤に頭を小突かれながら申し訳なさそうに両手を合わせている……

正直、クッッッッッソ羨ましい…あの警官が。
車の中っていう密閉空間であの天使とほぼゼロ距離で話せて笑顔見れて匂い嗅げて(流石にキモい)…あー、やだやだ。考えたくねー。

「じゃあとりあえず掃除から始めよ。あー…でも教室に何人もいらないわよねー…」

うーん、と橋本が悩んでいる間に何かを閃いたように染谷が口を開いた。
　
「子供たち来るまであと30分あるよね、じゃあとりあえず2人1組でペア組んで別れようよ。僕たちが担当するさくらぐみの教室そんなに広くないから手分けしたらすぐ終わるよ」

おおっ…と感嘆の声が思わず漏れた。
流石学年のトップを走る頭の持ち主だな。

「確かに…うん、そうしようか！」

この染谷の一声で決まった。