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恋33 ページ35

「(やっぱダメだよなぁ、、)」

あの後、やっぱり気になってしょうがなくて……

「(ついて来ちまった…)」

2人は屋上手前の鍵の掛かったドアの前まで来ても尚黙り込んでいる。
一体坂原の話ってのはなんなんだ?

「なぁ、A…」

「うん、」

漸く坂原が口を開き、気まずそうな声が聞こえてきた。

「俺じゃ…だめか?」

だめ?なにが?なんだよ。

その直後、肩をビクッと跳ねさせたAちゃんは何度か深呼吸を繰り返した後、震える声で話し始めた。

「っあ、あのね、一真くん…私、考えたのっ、やっぱり、まだ、好き…とか…わかん、ないよ…」

「(っ!!!!)」


す、好き?!?!


…!ま、まさか…!
Aちゃんから昨日相談されたのってAちゃんの友だちの話じゃくてAちゃんと坂原の話だったのかよ?!


「…知ってた、いや。わかってた」

「…ごめ__」

「いや、謝んなよ。悪りぃな、こんなわけもわかんねぇ男が告白しちまって…Aだったら、なんて浅ぇ事考えてた」

「っ、…」

「お前が良ければこれからも友達のままでいてくれるか…?」

「っ!もちろんだよ!私、全然気にしてない、からっ」

「ありがとな、」

坂原はぽんぽん、とAちゃんの頭を撫でた。
どうしようも無い嫉妬と焦燥感が胸を抉る。

「ふふ。そろそろ教室、戻ろっか」

「そうだな。行こーぜ」

「うん!」


ぼーっとしていたのも束の間。2人がこっちに来るのに気づき、俺は急いで踵を返し教室に戻った。

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作者名:音夜 | 作成日時:2021年2月27日 1時

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