恋30 ページ32
「課題やっと終わった……あ"ぁ〜つっかれたぁ」
思いっきり伸びをしてせっかく風呂に入ってあったまっていたのに冷めてしまった足をさすった。
ピコン♪
「んぁ?……っ!!Aちゃん!」
俺は慌ててスマホに飛び付き、LINEに飛んだ。
『二郎くん、今電話できる?ちょっと相談したいことがあって…』
電話っ?!?!
え、今?!?!?!
………ん
?そう、だん??
Aちゃんが困ってるならほっとくわけにはいかない。俺はキーボードをタップして返事を打ち込んだ。
『大丈夫だよ!』
そして間も無く、Aちゃんから電話が来た。
「二郎くん?こんばんは、遅くにごめんね」
「全然!まだ起きてるし、なんなら課題してたから!それより相談って?」
「私の友達なんだけどね、……」
「___なるほど…」
要約すると
Aちゃんの友達の子についての悩みらしい。
その子がずっと友達だと思ってた奴からいきなり好きだ、と告られたと。でもどう返事をしたらいいか分からず結局何も言えていないということだった。
「うん、私どうしていいかわかんなくて…」
「うーん…難しいね、」
これが兄ちゃんや三郎ならしっかり的を射た確実な回答を伝えられるのだろう。
でも俺じゃあなぁ…
「やっぱりその子がそのダチの気持ちに答えられるかどうかが一番大事なんじゃないかな?だって、好きじゃないのに、私も好きですなんて言って傷つけるのは違ぇじゃん?」
「……やっぱり、そうだよね…。ありがとう二郎くん!お話聞いてもらってちょっとすっきりしたかも!」
「ならよかった!あ、もうこんな時間か…ごめんね、遅くまで…」
「いやいや!私が二郎くんに電話したいって言ったからだよ!私こそごめんね、また明日!おやすみ〜」
「うん、おやすみ」
通話終了ボタンを押すのが何だか惜しかった。
こんな時間、なんて言っておいて本当は相談だけじゃなくて今日あったこととか、最近気になってることとか家族のこととか趣味のこととか。本音を言えばもっともっと話したい。
「もっかいかけちゃ…だめ、かな」
通話ボタンを押そうとしてはやめ、押そうとしてはやめ、を繰り返す。
やっぱり…やめておこう
23時、言えば今からが楽しい時間。
でもどうだ?
Aちゃんはちゃんと優等生で不良の俺なんかにリズムを合わせてたら明日に響くかもしれねぇじゃん。
「でも……」
耳の近くで呼び鈴の音が響く。
気づいたら通話ボタンを、押していた。
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作者名:音夜 | 作成日時:2021年2月27日 1時