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４３. ページ46
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『これと、これと…』
ここから長谷川さんが出てくるところを見られたら大変だ！なんて言って
キャップとマスクと眼鏡と、色々なものを出してきてくれる
ここまでしたら逆に怪しまれる気がするけど。笑
本当はここに来た時に被ってきたニット帽とマスクは持ってるけど、必死なAさんを見ていたら微笑ましくなって、そっと鞄にしまった
『流石にバレない、ですよね』
出してきてくれた物を身に付けて鏡の前に立つと、そこにはもう原型なんてなくて、思わず吹き出してしまった
「これでバレたら怖いです」
『ですよね 笑』
Aさんも原型のない僕の姿に納得したのか、家から出る許可が出た
『ほんとにすみませんでした…』
「いえいえ、じゃあまた後で」
『はい！』
そんな言葉を交わして、Aさんの家を出る
玄関の扉が閉まる音が聞こえた瞬間に、一気に緊張が解けた
外に出てからもずっと心臓の音がうるさくて、鳴り止んでくれそうにない
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作者名：檸檬
| 作成日時：2022年7月17日 23時
