さらけ出された嘘の段 ページ6
「え?は?え?……あ?」
や っ ち ま っ た 。
おはようございます、今日も清々しい晴天ですね!お洗濯日和な今日を謳歌しましょう!
「先輩何言ってるんですか!?」
「バカ!先輩って言うなって言ったろう!」
「はっ、すみません、つい……」
やべえどうしよう。後輩の前で叫んじゃったよ。久々知って絶対こんなキャラじゃない。少なくとも豆腐が絡んでない今絶対こんなキャラじゃない。
……ん?”豆腐が絡んでない今”?
「ということは、天女に豆腐を食べられたってことだよな!?あぁああああ!!!最悪だ!」
「ズコー!!」
既成事実がないのなら既成事実をつくるまでさ!(最低)
はたしてこれで誤魔化しが通じるだろうか…。
「いつもの先輩じゃない!」
「ある意味通常運転!いや通常運転だけど!」
「というか天女様じゃなくて天女呼び?」
「そうそう、そこからおかしいよね」
よしよしおっけおっけ。誤解(という名の過去の失態)が解けてきてるぞ……。
このまま洗脳が溶けた感じで行くか。
向こうが勝手に勘違いしてくれてるんだ!名誉挽回のチャンスは滅多にない!ならここでするしかない!!!!
「そうだ、それについてなんだが……。
本当にすまなかった!!!!!」
「……!」
「今までどうかしてた。自分の愛する後輩を蔑ろにして浅い愛に浸かることで、何処か安心感を得ていたんだ」
「…」
「だが、」
「……!」
(ちょっ)富松作兵衛は俺の言葉を待ち望んでいたかのように顔を上げた。その表情には困惑があるが、どこか期待しているような眼差しとも受け止められる。
……いやいやいや!!!むり!!
そんなご期待に添えるようなたいそれた語彙力も思考も持ち合わせてないし!うん!
…あれだよね、目の前に3択くらいの分岐システムみたいなやつあれば人生イージーモードだと思うんだわ。
「これからはもう違う。どれだけ否定されても構わない。僕は君たちに寄り添えればと思うよ。……なに、今更許せとは言わないさ。僕が好きですることだ。何も言わず、守られてくれはしないか」
「……それが、あなたの出した答えなんですね」
「あぁ。これが今の僕に出来る回答だ」
「…_____」
沈黙が、場を支配した。
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莉ぃ兎 - とても面白い作品ですね!お忙しいと思いますが、更新をお待ちしております。 (2019年8月3日 20時) (レス) id: 7f0f904c48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏宮秀一 | 作成日時:2019年1月1日 19時