ヤーさんぽい人、看病する ページ22
あの2時間後
全部の筋肉繊維を繋げ、細かい傷も全て治し終わった。
『疲れた……』
一期一振はすやすやと寝ている。
薬｢ありがとうな、大将。｣
『何言ってんだよ。当然だろ。主として』
薬｢いち兄は俺っちを庇ってあんな傷を負っちまったんだ。俺っちがもうちょっと速く動けていたら、こんなことには……｣
『……薬研、一期一振は後悔はしてねえし、お前が大怪我負わなかったことが、1番嬉しいと思うぞ。』
そういうと、薬研はそうだな、とさっきより少し和らいだ顔で笑った。
もう夜だ。
窓の外には見事な満月が浮かんでいる。
あ、燭台切に夕飯全部任せちまった。
……緊急事態だし、許してくれるだろ。
『薬研、飯食ってこい。俺が一期一振を見ておくから。』
薬｢でも、｣
『いいから。戦闘行ってきたんだろ？飯食ってこい。力つかねえぞ。』
そういうとわかった、と言って部屋を出ていった。
一期一振と俺以外居なくなった部屋でこいつの顔を見る。
綺麗な顔をしている。
寝ているからか、昼間よりも幼く感じる。
沢山の兄弟の兄として、とても我慢し、強く生きなければならなかったのだろうな。
頭を撫でてやると少し反応したが、起きはしなかった。
3日後
一期一振side
一｢ん……｣
ここは……医務室？時間帯はまだ早朝のようだけど。
ちらりと横を見ると壁に寄りかかり寝ている三代目がいた。
綺麗な顔をしているなぁ。
身体を起こすと、音に反応したのか三代目が起きた。
『やっと起きたか、寝坊助』
ね、ねぼすけ？
そんなに寝ていたのか…？
『戦闘の日から3日経ったぞ。粟田口のやつがまだかまだかと煩かった。』
そういえば、私は薬研を庇って……
身体を見ると綺麗さっぱり傷は消えていた。
一｢貴方が、手入れを？｣
『俺以外に誰かいるんなら教えて欲しいね。』
信じられない。あんな野蛮人が。
『あと、渡すのが遅くなってすまない。戦闘の前に渡すべきだったな。』
そう言ってて渡されたのは淡い青色の御守りだった
一｢御守り……？これを、私に？｣
『ああ、』
ああダメだ。信じてはいけない。なのに、なのに、涙が出そうだ。
御守りを触ってわかる、暖かい霊力。
私が寝ている間も、ずっと世話をしていてくれたんだろう。
『粟田口はよく泣くな。』
勝手に目から溢れ出す涙を拭ってくれるこの人の手があまりにも優しいから、信じてみたくなってしまったようだ。
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カイト(プロフ) - とても面白いです！続きを楽しみにしています (2021年2月14日 7時) (
レス) id: dc7be63a62 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください！楽しみにしてます！ (2020年10月18日 14時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
真紅(プロフ) - 黄花さん» そう言っていただけて嬉しいです！応援ありがとうございます！ (2020年3月6日 15時) (レス) id: 826d45fdb9 (このIDを非表示/違反報告)
真紅(プロフ) - アニメ大好きwomanさん» 受験が終わったので、一生懸命更新しますね!!!!! (2020年3月6日 15時) (レス) id: 826d45fdb9 (このIDを非表示/違反報告)
黄花(プロフ) - 読んでいて楽しいです！そして受験お疲れ様です！応援してます♪ (2020年3月6日 8時) (レス) id: 3c0d3771cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真紅 | 作成日時：2019年8月25日 17時
