酸いも甘いも酔わば蜜【2】 ページ2
「…起きて」
肩を揺さぶられて、意識が戻った。
ガンガンと響くような頭痛をこらえながら上を見上げると、ケロっとした様子のヒロトが私を覗きこんでいた。
「…今日、飲み会だったよね」
「うん。ヒロト凄い酔ってたよ」
「二人して寝てたんだ」
「………」
口ぶりからして酔いはさめたらしく、酔っていた時のことはあまり覚えていないようだ。少し頭にきて、私はヒロトを睨み付けた。
「家まで送ってよ」
私は右手で頭を押さえながら、左手でカバンを漁った。財布は軽いしスマホは事切れている。腕時計の針はアルファベットの“V”よりずっと狭かった。
ヒロトは少し考えるようなそぶりを見せてから、私に手を伸ばした。
まだ十分酔っている私はふてくされて乱暴にその手を掴み、再び頭が痛いのをこらえて立ち上がる。
そのまま私たちは、二人してとぼとぼと歩き出した。
夜風に吹かれて、だんだんと酔いも覚めてくる。そのうち私は、ヒロトが自然に車道側を歩いているのに気がついた。
「ヒロトってさ」
ふと口から言葉がもれた。でも、そのあとは続かない。何を言いたかったわけでもなかった。
「俺が、なに？」
「…なんでもない」
頭が痛くて、気持ち悪くて、靴擦れが痛くて、身も心も疲れていた。
すりむいた肘に夜風がしみて、少し唇を噛んだ。
「どうかした？」
私はヒロトに肘を見せつけた。
「あなたにやられたの」
ちょっとからかっただけなのに、ヒロトはひどく驚いて立ち止まった。
「俺が？…君に暴力を！？」
暴力、なんて大袈裟な言葉に私は声をあげて笑う。
「ヒロトをおぶってたら転けたの」
私はヒロトの顔を見た。暗闇の中に浮かび上がる蒼白の頬が、普段より僅かに上気していた。
きっと、まだ酔ってるのよね。
再び歩き出そうと一歩踏み出したとき、ヒロトに肩を掴まれ、振り向かされて＿＿＿
「………ごめん」
.
雰囲気だけでも楽しんでいただけたら。
あんまりかべどんとかさせると長くなるので容量で切った。
お酒飲んでみたーい。
さざなみのトパーズ【黒裂真命】→←酸いも甘いも酔わば蜜【基山ヒロト】
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涙音(プロフ) - 十六夜月夜さん» 続き！！パラライズの続き！！予想外のリクエストでちょっと興奮しました(変態)！頑張って書きますね！了解です！ (2018年2月20日 23時) (
レス) id: 1a4f25a5d6 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜月夜(プロフ) - リクエストで、パラライズの続きをお願いします (2018年2月20日 12時) (レス) id: 480d98284b (このIDを非表示/違反報告)
涙音(プロフ) - 十六夜月夜さん» 早速更新しました！湾田も浪川も大好きなので書いていて楽しかったです。よかったらまたリクエストしてください。ありがとうございました！ (2018年2月2日 19時) (レス) id: 1a4f25a5d6 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜月夜(プロフ) - 涙音さん» おまかせでお願いします (2018年2月2日 6時) (レス) id: 480d98284b (このIDを非表示/違反報告)
涙音(プロフ) - 十六夜月夜さん» リクエストありがとうございます♪閲覧していただけて嬉しいです。浪川と湾田の取り合いの、オチはどうしましょうか？おまかせなら私が好きに書きますが、どちらか希望があればぜひどうぞ！ (2018年2月1日 23時) (レス) id: 1a4f25a5d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涙音 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/enkorimatsue/
作成日時：2015年4月2日 17時
