理解 ページ47
過去を思い出した脳がピースを埋め込んでいく。
頭の中がクリアになって行き、過去の忌々しい記憶を更に遡っていく。
しかし如何せんながら、精神がこれ以上の真実に耐えきれなかった。
「……で、……?Aあんた、顔色が悪いで。土気色になっとるよ」
ふっと、百々目鬼のその声で意識が現実に引き戻された。
「……百々目鬼。私分かった」
その一言で百々目鬼は目を見開き、先程とは違う雰囲気を醸し出した。
「1000年前の真実も、
『異』の正体も、
私の幼少のあの時の『儀式』の理由も全部分かった」
「……そうか」
私の今の顔は百々目鬼にはどう見えているのだろうか。
酷く青ざめているのだろうか。
真剣な顔付きになっているのだろうか。
百々目鬼は立ち上がり、実体のない手を私の頬に添えた。
「妾はアンタに謝らなあかん。
妾は守ると言っておきながら、アンタをあの時守りきれんかった。
20年以上経って、表面に妾の呪力を浮き出して置かへんと抑えきれない程に増大してもうた」
百々目鬼の言っているのは右腕の目玉の事だろう。
しかし、そんな事はどうでも良かった。
今、全てを理解した私はあの状態の腕は百々目鬼がしてくれた精一杯の処置だったと知っているから。
「大丈夫よ百々目鬼。私は恨んでない。寧ろ感謝しかない」
見えないが、百々目鬼の瞳がほんの少し和らいだ気がした。
316人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
数学(プロフ) - 麗さん» ご指摘ありがとうございます!!すぐに直させて頂きますm(*_ _)m (2021年3月1日 8時) (レス) id: 854f7b158c (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 26ペン 七海健人 ではなく 七海建人 です。 (2021年3月1日 8時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
数学(プロフ) - shinox2さん» 全然大丈夫ですよ〜!!また読めない漢字等ありましたら何時でも質問して下さいね!! (2021年2月28日 16時) (レス) id: 854f7b158c (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - ありがとうございます。ちゃんと妖怪として存在したんですね。てっきりオリジナルかと思ってました。ググればよかったですね(^^; (2021年2月28日 14時) (レス) id: 947326f28f (このIDを非表示/違反報告)
数学(プロフ) - shinox2さん» わわ!!読んで頂きありがとうございます!!コレは百々目鬼(どどめき)と読みます!!目がめっちゃついてる妖怪ですね!!ちゃんと読み仮名を付けていなくてすみません(汗) (2021年2月24日 22時) (レス) id: 854f7b158c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:数学 | 作成日時:2020年12月26日 22時