狐と兎（続編）

過去2〜最初の異変〜 ページ37

最初に気がついたのは私が入って３ヶ月たってからだ。

皆何かに怯えているように見えてきたのだ。

(A)なんで皆ビクビクしてるの？

ここで仲良くなったサキちゃんに聞いてみた。

(サキ)…あのねAちゃんは来てばっかだから知らないと思うけどこの児童養護施設何かウラがあるらしいんだ。

(A)ウラって？

(サキ)そこまでは…分かんない。

(A)そうなんだ。

(サキ)だからね、今日の夜中に確かめにいくんだ。

(A)何処に？

(サキ)園長室だよ。あそこには何かあるはずなんだ。絶対に。

(A)ふ〜ん。

その日からサキは姿を消した。

翌日、園長が「サキちゃんは親御さんの都合で引っ越しました。」っと言った。

(A)…サキちゃん…なんで…？

〜数日後〜

おい、聞いたかよ！サキがいなくなったのは引っ越しじゃないんだって。

(A)どういうこと？

同い年の翔くんが言っていたので聞いてみた。

(翔)お前サキと仲が良かったな。
いいか？これは噂なんだがサキがいなくなったのはどうやら園長室らしいんだ。

(A)園長室。

(翔)ああ、だからな、サキがいなくなったのは園長室に行ったんじゃないかと思うんだ。

(A)まさか。

(翔)だからな俺今日確かめて見るんだ‼

(A)そんなっ！だめだよ。起こられちゃうよ？

(翔)大丈夫だよ！

その日サキちゃんと同じように翔くんは戻って来なかった。

(園長)残念なことに、翔くんがサキちゃんと同じように親御さんの都合により引っ越しました。

(A)…

可笑しい。

二人連続で引っ越すなんて。

やっぱり、翔くんが言った通りに園長室に何かあるんだろうか？

私は確かめようとしたが止めた。

…私も二人のように…消されるのでは？

という考えが過ったのだ。

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