白髪少女のトリップ記４

問いの答え ページ32

「…やはり来たか。」

強者の余裕といったように先頭車両の上で立つリッパ―。
堂々とした立ち姿は自信に満ち溢れている。

「機動隊は片付けた。さて、昨日の借りを返しに来たよ。
逃げっぱなしは性に合わないからね。」

「フン、どう足掻こうが貴様らのような奴らに負けるつもりはねぇ。」

お前が私の何を知ってるんだよ。
この世界に私の資料なんてほとんどないからな。
どうせテロリストと一緒に行動してる白髪の魔人くらいの認識だろ。

「この鋼鉄の正義は、何も寄せ付けはしない。半端な覚悟でフーゴを倒したことを後悔させてやる…！」

だいぶ覚悟してたよ。
半端な覚悟だったらお嬢様だったノエルが爆弾魔を倒すなんて言うわけないじゃん。

「…貴方に昨日、問われましたわね。復讐のために、それ以外の全てを捨てられるか…と。」

「…ああ。そしてお前は答えられなかった。
それはお前がなにも捨てられない半端者だからだ！
フーゴはただ半端者どものエサになっただけだった…！」

半端者に私は絶対従わない。
彼女には芯がある、覚悟がある、優しさがある。
だから、私はともに行くと決めた。

「わたくしも、迷いましたわ…。でも、今日はわたくしなりの答えを持ってきましたわよ。
復讐のために、それ以外のすべてを捨てられるか…答えは、ノーですわ。」

「…だろうな、貴様はしょせんどちらも捨てられず選べない。その程度の覚悟しか…。」

「復讐は貫く。その上で、それ以外のすべてを捨てずに向き合う。」

「…何…？」

リッパ―の表情が変わる。
ノエルは、私達の手助けはあったものの自分でリッパ―とは違う答えを導き出した。
これは、運命が分かれる合図。

「わたくしは自分の信念も、大切な人も、全てを見据えて復讐を貫きますわ！」

しっかりとした口調で言い切るノエル。

「そんなことは出来ねぇ！都合のいいことを並べるな！
悪魔への願いに込められるのはただ一つ！自分の信念以外捨てるしかねぇんだよ！」

確かに願いは一つ。
だけどノエルの願いはある程度の融通が聞く願いだし、もしもの時は人間(私)がいる。
仲間がいたかいないか、そして悪魔に何を願ったかがノエルとリッパ―の大きな分岐点だ。

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