淡雪____ｱﾜﾕｷ.

No.12 ページ12

真っ暗な世界から離れるかのように、









目の前にある光に向かって走り出す。









「A、Aっ」







体を揺すられ目が覚める。









でも、目の前は真っ暗で何も見えない。









『ここ、は…？』









「病院よ…。今、包帯を取るからね？」









お母さんの声が、心に響いた。









私は小さく頷いた。









ｼｭﾙｼｭﾙと包帯が取れていき、光が差し込んできた









目を閉じていたが、しっかり感じる温かさ。









目を開けると、









目に涙を溜めて笑っているお母さんの姿と







それを見守る医師の姿。









『見える…』









私は一年ぶりに、明るさを目にした。

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