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連絡が来なくなって2週間ほど。
もともと大学でもほとんど顔を合わせていなかったので、本当に全くコンタクトがない。
侑が何を考えているのは私にはさっぱり分からなかった。
夜、何日もならない電話を見ていると寂しくなった。
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もしかしたらあの時。
侑は私と木兎くんが2人でいるのを見て誤解したんじゃないか。
それで怒ってるのかもしれない。
そんな事を考えて、次のバイトの日、私は帰ろうとする木兎くんに言った。
『ねえ、もう一緒に帰るのやめる』
木兎「はあ?なんでだよ」
『なんでも』
別に木兎くんと何かある訳でも無い。
ただ、何だか後ろめたくて苦しい。
木兎くんが何か言ってるが、早足で店を出る。
しかし道の途中ですぐにその手は掴まれた。
木兎「......この前会ったやつ、もしかして宮侑?」
力が強い、離してくれない。
木兎「なんか俺に相談しようとしてただろ、アイツとなんかあったの?」
こんな道端で腕なんて掴まれてるの見られたら、また誤解されちゃう。
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.......なんで?
なんで誤解されたくないの?
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『ねえ、木兎くん』
木兎「なに?」
『好きな人に、好きって言い続けても応えてくれなかったら不安になる?』
木兎「え、急だな。んー、なるんじゃねえの」
『じゃあその好きな人が他の人と一緒にいるの見たら嫌になる?』
木兎「なると思うよ」
『じゃあさ、
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ある人のことを考えてたら異性の友達と一緒にいるのが後ろめたくなったり、
異性の友達と一緒にいる所を見られて誤解されたくないって思う時って
そのある人のことをどう思ってる時だと思う?』
木兎「んー?難しい言い方されるとよく分かんねえけど、
つまりは宮侑に、俺と2人でいる所を見られて誤解されたら嫌だなってのであってる?」
いつも幼稚園児みたいなのになんでこういう時だけ頭が冴えてるんだろう。
全くその通りだ。
私が黙っていると、木兎くんは腕を離してから私を正面から見つめた。
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木兎「それはな、
お前が宮侑のこと好きだからそう思うんだよ。
本当に好きなのは宮侑なのに、
他のやつが好きだって勘違いされるのが怖かったんだよ」
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櫻陽花(プロフ) - これが…キュン泣き……めっちゃ良かったです… (2021年1月1日 21時) (レス) id: 07bd924354 (このIDを非表示/違反報告)
ちい - ボクトさああああああん (2020年8月27日 1時) (レス) id: 6af75078cd (このIDを非表示/違反報告)
宮野 ミヤ(プロフ) - 完結おめでとうございます!泣き上戸な宮侑に見事キュンさせて頂きましたw素敵な作品を閲覧させ頂きありがとうございました!! (2020年5月4日 3時) (レス) id: 42117e33a5 (このIDを非表示/違反報告)
紗乃みこ(プロフ) - ゆんみ。さん» そう言って頂けて嬉しいです! 展開をあまり考えておらず、ちょっとやけくそになって書いてしまった節があるので次回はちゃんとします.....笑 ほんとにありがとうございました! (2020年5月4日 0時) (レス) id: 768a728d76 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんみ。(プロフ) - 楽しく読まさせて頂きました!ありがとうございます!! (2020年5月4日 0時) (レス) id: ae57aa2fd9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紗乃みこ | 作成日時:2020年4月30日 16時