愛、痛い〈吉沢亮〉 (ページ5)

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どれくらい経っただろうか。
私の上に、何かが覆い被さる感覚を覚え、薄ら目を開けると、彼の顔がすぐ近くにあった。

驚いて起き上がろうとすると、彼の額と必然的にぶつかることになりゴツン！と鈍い音がした。

｢いっ、た～～…｣
｢…な、なにしてたの…？｣

頭を抑えてしゃがみこんだ彼に警戒しながら問いかけるとけろりとした顔でこちらを向いた。

｢なにって、ちゅーしようとしてただけだけですけど…｣
何を当たり前のことを、とでも言わんばかりの顔でそう言う彼に思わず顔を顰める。

｢え？だっておねーさん、そーいう見返りを求めて、俺の事拾ってくれたんでしょ？｣
｢は…？｣
そういう見返り？何を言っているんだこの子は。

｢おねーさんは俺とちゅー、したいでしょ?｣
｢いや…全然したくないけど…｣

そう言って彼の問いかけを否定すると彼は目を見開いて一言、変なの…と呟いた。

変なのは果たしてどっちやら

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