少しの勇気

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藤ヶ谷は横尾さんの事が好きなんだと思う



直接本人から聞いたわけじゃないけど


藤ヶ谷が不機嫌な時

それを宥めるのは横尾さんの役目というよりは、そもそも藤ヶ谷の機嫌を直せるのは横尾さんしかいないし、むしろ横尾さんと話せば上機嫌になる



今みたいな関係にならなければその場所に俺は入れたのかな……


なんて



過ぎてしまった事を考えても仕方ないのに


最初はただ嬉しかったんだ

藤ヶ谷に触れてもらえる事が、自分を求められている気がして

でもそれは違う


俺に全く気がないからこそ出来るんだと思う

体だけでも良いと思った

心が無くても触れてもらえるならそれでいいじゃないか


1年繰り返してその考えはバカだったんだなと思う

こんなの虚しいだけだ


「ミツ…？どうしたの、…体調悪い？」

藤ヶ谷と横尾さんのやり取りを見て落ち込んでぼーっとしてしまっていたんだろう…千賀が心配そうに顔を覗き込んできた


「いや、ちょっとぼーっとしてた笑」

体調は悪くない


ただ心がしんどい

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