漆話 ページ9
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「太宰、こいつに名前教えたのかよ」
「いいや?この子は私の名前を知ってたんだよ」
浮いている私を抱き上げながら太宰さんは答えた。すると中也の目が鋭く光った。
どんな顔をしてもイケメンはイケメンですね。私も女の子にモテて遊びたい。
別に百合、ってわけじゃないけどキャーキャー言われたい気もするんだよ。
「そうだ、彼の名前分かるかい?」
「……脳筋」
からかうつもりでボソッと呟けば
「手前ェ、次言ったらぶっ飛ばす」
怒られた。
「中原…ちゅーや」
ダメだ、『う』が言えん。
「…好きなように呼べ」
あれ、なんか優しいぞ。疑ってるのか疑ってないのかそう思ってると太宰さんが後ろを振り向いた。
「……中也、この子と先に行ってて」
はい、と私は中也に渡される。けど、中也は抱きたくないのか異能を使いやがる。
太宰さんが私を中也に預けたのは芥川が近付いてきてたためだと思う。何だかんだであの人面倒見いいよな。
「ちゅーや…」
だけどひとつ問題がある。私なんか浮かんでると鳥肌が立ってくる。
落ちそうになったときもゾクリとした。
前世が、前世の死に方が関係してるのかもしれない。
「なんだ」
「抱っこー」
あと、人肌が恋しいです。
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作者名:拳銃 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年7月12日 23時