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弐話 ページ4

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ドクドクと男性の頭から血が流れる。

さっきのバンッという音は拳銃だろう。なんだなんだマフィアかよこん畜生!!


そう思って銃声がした方を向くとどこか知っている顔があった。



───太宰治と中原中也


その名前がパッと浮かんできた。

この二人がここにいるってことは私トリップ…ううん、転生したんだ。


───文豪ストレイドッグスの世界に



そう考えてしまったらこっから先どうしようかと頭がぐるぐるする。

というかほんとにほんとのマフィアだった。

私が固まっていると素敵帽子さんが男性を蹴飛ばし私の顔を覗き込んできた。

わお、イケメン。


私は後ろが壁だとわかっていて後退りしてしまう。トン、と肩が壁に当たると中原中也が口を開いた。



「手前ェ、何者だ」



私はまた方向転換をして路地裏に走り出した。

ダメだダメだってこれ!!!


だって太宰治と中原中也が一緒に居るってことはこれ双黒の…黒の時代じゃん!!



プキュプキュプキュプキュ


ええいこんにゃろ!!こんな靴脱いでやる!!



「うひゃっ」


靴を脱ごうとしたとき嫌な浮遊感が体を襲った。中原中也の異能力──汚れちまつた悲しみにだ。

私は浮かんだまま二人の元に戻ってきた。




「次はねぇぞ。手前ェ、何者だ」



ゾクリと背筋が凍るような声。そんな声をイケボだと思ってしまう私は末期かな。

でもこれに答えなきゃ死ぬ。確実に。



「わた、し、は…」



だけど何者だって聞かれてなんて答えたらいいんだ。それに怖すぎて声がでない。



「私は…にゃにも、のでも…っにゃい、」



もう、怖すぎて涙出てきたよこん畜生っ!!



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作者名:拳銃 | 作者ホームページ:   
作成日時:2016年7月12日 23時

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