Rain-1 (ページ37)

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雨の日の想い side D ページ37

外に出ると、雨が降っていた。雨がAへの想いをより強くするんだ。
それだけで僕の心の決心はより固いものになる。

A「雨だ～、今日雨予報だっけ？みんな気をつけて帰ってね！明日もがんばって。お疲れ様でした」

Aはみんなに挨拶をして、僕は、みんなにAをホテルまで送ることを伝え、2人でタクシーに乗りこんだ。

D「ねぇA？僕ね、雨が降るとAを思い出すんだよ？」

A「ん？なんで？」

柔らかい声色のAはまだ少し酔ってるのかな？

D「Aと初めて出会った日覚えてる？その日も雨だった。だから雨の日がすきになったんだよ。」

A「うん。」

まだAは僕が何を言いたいか、多分分かってない。

雨が降っているからか、僕は気持ちが溢れるように、自然と言葉がでてきていて、Aに触れたい気持ちを抑えるのに必死だった。

D「あの雨の日に、僕はAに恋したんだよ、あの日からずっとAが好き。」

A「うん、」

Aの目からは涙がポロポロと溢れていて、それがあの雨の日と重なって、僕の心はもうAで染まっている。

D「Aに出会った時雨降ってたから、僕は雨の日が好きになったんだよ？」

A「おかしいよ」

泣いてるのに、ニコッと笑って言ったAは、今世界で1番綺麗だと思った。

D「ねえA？すぐに返事してとは言わないけど、僕のことちゃんと考えて？もし可能性がゼロじゃないなら、少しでも僕の事好きでいてくれたら…」

A「うん、なぁに？」

D「ぎゅってしてもいい？」

Aは目を見開いてビックリして顔を真っ赤にしていたけど、コクンと小さく頷いてくれた。
僕はもうこれだけで幸せ者だよ。
少しでもAは僕を受け入れてくれてるって事だよね？

僕は優しくAをぎゅっと抱いた。タクシーの中だけど、今は2人の世界。

D『A、これからもほんとにだいすきだよ』

慣れない日本語だけど、Aの国の言葉でも言いたかった。

A『ありがとう』
Aは僕の腕の中でコクンと何回も頷いきながら、日本語で返してくれた。

そのやり取りと、Aの香りを近くで感じ、一気に恥ずかしさがやってきて、片手で顔を覆った。

A「どうしたの？ふふっ、照れてるんだ」

D「Aだってさっきすごい顔真っ赤だったくせに」

自然と体は離れ、顔を合わせてクシャッとした顔でお互い笑い合った。