41話 丸め込む ページ44
「却説、此れからが本番だ。」
そう言葉を零した神月の目線の先には敵連合とステインに繋がりが云々が報道されているテレビニュースだった。
仮眠室には沖田も相澤も居らず、神月一人だけ。
彼女はノートに決して綺麗だとは云えない字で、
『沖田へ』
と書き記した。
其の中には自身らの世界への戻り方が記されていた。
「何処迄が思惑通りになるか…」
彼方の世界で私達の事を心配して居るのだろうか。沖田はされているだろうな。と神月は思った。
第二の故郷へ、歌舞伎町へ帰りたい。
「何が思惑通りだ…」
ガチャリと開けられた扉と同時にノートを隠した。
「え〜？色々？」
入ってきた相澤に対しそう云い、パソコンに向き合った。
「お前、その技術は一体どこで…」
「何処で？そりゃ前職の時にかな。」
神月の席の向かい側に座り、彼女にコーヒーを差し出し、自身もコーヒーを啜った。
「お前一体どんな仕事してたんだ…。」
「あは、詳しい事は内緒。」
まぁ、此処には幸い彼女の経歴は無いし、隠蔽する必要も無い。
只、バレなければの話だが。
犯罪歴が出回った瞬間に命が幾つ取られるか分からない程の大罪を犯した。
特攻、暗殺、潜入、拷問、事務、等の其々の持ち場についたことがあったが、事務が一番苦痛だったのを神月は思い出した。
「とある組織の一師団のトップ２だったって前に話しただろ。」
暫く間が空いてスッと目を細めた相澤。
「海賊、だったな
お前は何を一体抱え込んでるんだ…。
お前は自分が子供じゃないと思ってるかもしれないが世間一般ではお前はまだ子供だ。」
もっと大人を頼れ、神月はそう云われた。
頼れるんならとっくに頼ってる。人に泣きついて救けてくれって。
其れができないのだと心で思う。
「抱え込んでるものは今は言わなくていい。
お前がどんな極悪人であれ、俺からしたらただの子供で一応俺の生徒だ。」
相澤は神月の頭に手を置いてから部屋を出て行った。
神月は触れられた部分を手で押さえて下を向いた。
だがすぐに切り替えて、パソコンを表示させる。視線の先には轟がヒーローとしての第一歩を踏み出す映像が画面に映し出されていた。
「ま、大丈夫だろ。問題は……」
映像の次に映し出されたのは体育祭での表彰式、爆豪勝己の写真だ。
彼はあやふやで、今最も重要視すべきな人物だ。
下手をすれば壊れてしまいかねない危うさを感じ取っていた。
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- 恋愛運: ★★★☆☆
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終夜(プロフ) - ありがとうございます！更新は遅くなると思いますが、なるべくあげられるよう頑張ります！ (2018年11月16日 21時) (
レス) id: 7b6e0d6279 (このIDを非表示/違反報告)
雨(プロフ) - 沖田君と神月ちゃんのやり取り好きです！これからも更新頑張ってください！ (2018年11月16日 19時) (レス) id: e3333da4ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：終夜 | 作成日時：2017年8月23日 13時
