15話 ウブな子可愛いよね〜 ページ16
ギイィイイ
試合中に突然開いたドアに全コートが一時試合を中断して扉の方を見た。
「おっまだやってんじゃん。間に合ったね。上出来」
金髪の胸の大きな人が入ってきたので話を聞きに行こうと監督に許可をとり歩こうとした瞬間に黒尾が憎たらしそうに言った。
「『主役』は遅れ登場ってか?ハラ立つわ〜」
は?と思いながら話を聞こうと思い扉へ近づく。
するとオレンジ頭のチビと目つきの鋭い奴が入ってきた。
中断していた試合を再開するように言い渡し、他のマネさんたちも話を聞きに来ようとしてくれていたが私が一足早くに行くのを見て自分たちの仕事に戻った様子だった。
「えっと君達は?」
「え!?あ、えと、せ、選手です!!ひ、ひひ日向翔陽です!!」
朝烏野の主将くんが補習を受けている選手がいると言ってた事を思い出した。
「…影山飛雄っす」
影山飛雄、どこかで聞いた事があるなと思いながら最後の一人の金髪の姉御!って感じの人に名前を聞いた。
「私は田中冴子!!冴子姉さんって呼びな!」
緊張しているであろう一年生二人に笑いかけて自己紹介をする。お、お願いシャス!!とお辞儀されたので烏野コートまで連れて行くついでに冴子姉さんは見学してもらおうとパイプ椅子を取りに行った。
「ありがとう、遥ちゃん」
「ううん、全然。試合頑張ってね。孝支くん」
とお互い笑って音駒高校の方に戻った私だった。
ーーーー
「え、なにあの速攻.……」
ちらりと横目で見たはずがガン見で烏野のコートを見てしまった。それを見ていたやっくんが笑いながら集中、と言ってきたので試合に意識を戻す。
背が低くく、まさかレギュラーだとは思っていなかったオレンジ頭の彼が試合に出て、コートを飛び回っていた。
それに反して常に冷静に、心は熱く闘志を燃やしているであろう影山飛雄のトスを見て思い出した、コート上の王様と呼ばれている事に。
私は手を組んで試合を見ているふりをして才能溢れる彼らの事を考えていた。
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作者名:終夜 | 作成日時:2017年7月18日 14時