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カラオケ行った時に本当に歌いたい歌を忘れる ページ19

あの後私は帰された
高杉がその傷を治せ、とよくできた話だ

深夜だったせいか通りを歩いても誰もいない
こんなに静かな歌舞伎町は初めてだ

おぼつかない足取りで泊まっている宿に向かう
その間にも止血が追いつかなかった箇所から
血が溢れてくる ついに意識が朦朧としてきた

倒れる...そう思った瞬間に誰かの腕によって支えられる


「こんなとこで何してんだよ 血だらけになる仕事って...」


支えてくれたのは旦那だった
でも答えることができず意識を手放した




窓から差し込む明かりで目を覚ます
なんかデジャブだな〜

「あら目が覚めました?」


私の隣には綺麗な女の人が座っていた
誰だろ


「初めまして 新ちゃんの姉の志村妙です」


あぁ あの眼鏡の...
じゃあこの包帯は妙さんが巻いてくれたのか


『包帯巻いてくれてありがとうございます 旦那は?』


「銀さんならさっき出かけて行きましたよ
電話をかけたあと、真選組の屯所に」


屯所に...?義兄さんに伝えにいったのか
待って...このままだと色々やばいんじゃ


『本当にありがとうございます 私用事があるんで旦那に
よろしくお伝えください』


側に置いてあった刀を持って玄関に急ぐ
靴を履いてドアを開ける 1歩踏み出そうとしたら
誰かにぶつかった



『義兄...さん...』


そこには不機嫌な顔をした義兄さんと
耳をほじくってる旦那がいた


『ごめん 私これから用事があって...』


横をすり抜けようとしたが腕を掴まれる
どうしよう


「用事があるのはこっちでぃ」


普段より低い声音に背筋が震える
逃げなきゃ そう思って義兄さんの腕を振りほどき
ベランダから飛んだ 受け身の体制を取って着地する


「おい待て!」


義兄さんの制止の言葉も聞かず走る
このままだと色んなことがバレる

そう思いひたすら走り続けた

ムカついた時は心の中で相手を拷問しておこう→←夏休みに入ってからすっげぇ泣いた気がする



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作者名:神音 | 作成日時:2018年8月9日 23時

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