第十七話「気まずい……(陰キャメンタル)」 ページ18
「全員ちゃんと一人で祓えましたね」
「ハヒ……」
あの後全階全部屋見て回って、その場にいた呪霊を根こそぎ祓ってきた。もちろん一人で、だ。小刀を振り回して数回ほど切りつけたあと、思いっきり蹴りあげる。(めちゃくちゃカッコ悪い雄叫びをあげながら)これをひたすら繰り返しているうちにいつの間にか祓い終えていた。
肉体的な疲労もあれど、精神的な疲労は今まで生きてきた中ではトップクラスのものである。
「あの、ついてきてくださってありがとうございました…」
「いえ」
私はここまで移動を共にしてきた七海に礼を述べた。七海が居なかったらきっとビビってまともに探索出来なかっただろうし、呪霊と対峙したあの時にやられていただろう。ていうかこんなクソビビりのお守りなんかさせてしまってほんとに申し訳ない…。
しょもしょもと下を向いてしょげながら歩いていると、しばらくの沈黙のあと七海は真っ直ぐ前を向いたまま口を開いた。
「すみません」
「……へ…?」
その言葉に思わず足を止めた。何を言っているのか分からなかった。なぜ、なぜ七海が謝っているのだろうか?
言葉の意味を理解しきれていないのが伝わったのか、七海は歩きながら言葉を続けた。
「ずっと怖がらせていたようなので。私じゃなくて灰原の方が良かったでしょう」
「え、あ、いえ!」
私は小走りで七海に追いついて、慌ててその言葉を否定した。七海にビビっていたのはほんと。だけど七海じゃなくて灰原の方が良かったっていうのは違う。
「あの、ずっと眉間にしわ寄せて不機嫌そうにしてたのでので、この任務に付いてくるのが嫌だったんじゃないかと思いまして…………申し訳なくて……」
ポソポソと吐露する私に、ああ、と思い出したかのようにポツリと呟き、眉間のシワを親指でグリグリ押しながら七海は返答をした。
第十八話「不機嫌の理由」→←第十六話「最初はグー!!(ゴ○さん)」
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人造人間名無し号(プロフ) - りり兄さん» ありがとうございます!マイペースに更新していきます! (10月31日 7時) (レス) id: 302ec2dd68 (このIDを非表示/違反報告)
りり兄(プロフ) - 最高です!!まじ応援してます!更新がんばってください…!o(^-^)o (10月30日 14時) (レス) @page37 id: f01e3b9817 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:人造人間名無し号 | 作成日時:2023年8月25日 15時