独歩の心情 ページ45
初めてAと会ったのは、高校一年生のとき
クラスが別だった俺と一二三は移動教室の時にたまにすれ違う
そのときに一二三に紹介された
「独歩!丁度いい所に!」
「何だ?」
「A!俺が言ってた幼馴染みはこの子のこと!」
『あ、そうなの?伊弉冉と同じクラスの沢渡Aです』
目線も思考も全て奪われた
「独歩?どした?」
「あ、いや…か、観音坂独歩です…よろしく」
『観音坂、よろしく』
全っ然動かない表情筋だったけど、不器用でぎこちなく口角を上げたAに心臓を持っていかれた
「じゃあ俺っちたち次体育だから!またね!」
「ああ…」
Aはペコッと少しだけ頭を下げて行ってしまった
な、何だろうこの気持ちは…
心臓が物凄い速い
俺は自分の席に座り、窓の外を眺める
すると2人がキャッチボールをしている姿が目に入る
「あっごめーんA!」
『おまっ、ふざけんなよ!』
どうやら一二三がボールを変な方向へ飛ばしたらしい
遠くまで飛ばされたボールを取りに行く時のAの顔は少しばかりイラついていた
あまり表情は変わってないはずなのに、凄く分かりやすい
他にどんな表情をするのか、もっと見てみたい
気付けば俺はAを目で追っていた
そしてたまに俺に気づき、手を振ってくれる
嬉しくて、俺は頬を緩ませて手を振り返す
俺がお前の隣にいたらどんな顔をするのだろう
どんな話をするのだろう
そう考えているうちに、常に隣にいる一二三を羨ましく感じた
恋だと気づいたのは初めて会った時からそう日は経っていなかった
卒業式の日、俺は何も言えなかった
告白はまだしも、卒業おめでとうの一言ですら
高校卒業後、Aとは会えない日が続き、気付けば約11年経っていた
夜中、俺は残業を終えて家に帰る
ご飯を食べる気にもなれず、そのまま自室へ直行し、ベッドに倒れ込んだ
一二三の部屋から何か一定の音が聞こえるが、そのリズムは俺の眠気をより深くした
目を覚まし顔を洗おうと洗面所のドアを開ける
すると目の前にはほぼ裸のA
勢い余って抱きついてしまった
あの時と変わらない表情
ずっと会いたかった
ずっと好きだった
ずっと一緒にいたかった
俺はもう、お前と離れたくない
あの時みたいに見ているだけの自分は嫌なんだ
何を言われても
俺はお前の望む事は何だってする
聞かせてくれ
お前が決めた答えは…?
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月夜 - ヒプマイの新曲聞いた? 神曲!! (2019年9月10日 16時) (レス) id: fafc33f615 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 - 大丈夫だよー!! 更新頑張って^^ (2019年8月29日 18時) (レス) id: fafc33f615 (このIDを非表示/違反報告)
あやばな(プロフ) - 月夜さん» おかえり!!全然更新してなくてさーせん、、((((( (2019年8月28日 0時) (レス) id: 3d53cc1cd6 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 - 帰ってきたー!! また話そうね^^ (2019年8月22日 18時) (レス) id: fafc33f615 (このIDを非表示/違反報告)
あやばな(プロフ) - 月夜さん» 了解!!! (2019年8月18日 21時) (レス) id: 3d53cc1cd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あやばな | 作成日時:2019年7月6日 17時