25話 ページ27
千寿郎side
建物を出た時には、もう既に外は真っ暗になっていた。
「うひゃー真っ暗だ」
千「本当に。何も見えませんね」
そう私が言うと、Aさんは顔つきを変えた。
「人の気配がする」
千「も、もしかして…私たちを攫った人でしょうか…」
「多分ね」
そう短く答えた後、Aさんは私の方を向いて、こう言った。
「千寿郎。私は君が思っている程できた人間でもないし、優しい人間でもない。むしろ、最低な人間なんだ」
千「と、突然何言ってるんですか」
「さっき私は別の世界から来たと言ったでしょ?そこには鬼がいなくて、君らからすれば平和な世界だと思われると思う」
千「…」
私が黙って聞いてるとわかると、さらに続けた。
「鬼がいないけど、魔獣という生き物がいたり、そいつらよりも、もっと凶悪な生き物もいる世界だった」
「そして、ルールすらも…おそらく君らの想像よりずっと、ずっと最低だ」
千「る、るーる?」
「要するに、決まり事さ。例えば、『流星街』という場所がある。そこには何を棄てても構わないんだ」
千「何を、棄てても…?」
「そう。ゴミや自身の所有物、死体、」
「そして
赤ん坊とか、ね」
千「………え」
赤ん坊って…赤ちゃんですよね…?
そんなこと…
千「そんなことあっていいんですか?」
「いいわけないよね」
そう言ったAさんは怒っているようだった。
「そんなとこで育った私は勿論クズに育った」
そんな所で育ったって…もしかして…
千「もしかしてAさんは…」
「そう。私は『流星街』で育ったの。赤ん坊の頃に棄てられた」
その言葉を聞いた私の衝撃は、今までに感じたものの比ではなかった。
そして、こうも続けた。
「赤ん坊の頃に棄てられ、なんで今生きていられると思う?」
千「わ、わかりません…」
「私は赤ん坊の頃に、盗賊団に拾われたからなの」
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梟 - はい!気長に待ちます! (2019年10月8日 1時) (レス) id: 5c607c067f (このIDを非表示/違反報告)
なの星(プロフ) - 梟さん» ずっと煉獄さん出したかったんですけど、結局最後しか出せませんでした笑 早めに続編だせるように頑張ります!しばしお待ちを! (2019年10月7日 19時) (レス) id: 5608f88791 (このIDを非表示/違反報告)
梟 - 続編楽しみにしています!煉獄さん(兄)が出てきてくれてすごく嬉しいです!これからも頑張ってください!応援してます! (2019年10月7日 1時) (レス) id: 5c607c067f (このIDを非表示/違反報告)
なの星(プロフ) - まこさん» こちらこそすみませんでした!指摘する方も勇気がいると思うのでまこさんには感謝しかないです!良ければこれからもこの小説にお付き合いして頂ければ幸いです^^* (2019年10月6日 23時) (レス) id: 5608f88791 (このIDを非表示/違反報告)
まこ - なの星さん» 丁寧な対応ありがとうございます。この作品が人気の理由が分かりました!お騒がせ致しました (2019年10月6日 20時) (レス) id: c392ad3879 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なの星 | 作成日時:2019年8月28日 20時