実.況してみた【実.況者】 (ページ46)

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実況46 ページ46

「あー、うま！料理できんだな。」

「でしょでしょ？あんま自信ないけど喜んでくれるなら嬉しいよ。」

口に運んだスクランブルエッグと、スープ。さらにパンの味が口いっぱいに広がる。
支度をして、俺のキッチンで何かしていると思ったらまさかの、料理をしていたのだ。

「あぁ、シェフでもやってんの？」

「あー…ううん。カフェの従業員と塾の講師かな。」

頬をかき、照れくさそうにいう彼女はどこか愛らしかった。

行為後だから？ちがう。

顔が整ってるから？ちがう。

たぶん何かと言われればわからないだろうが、とにかく今の時間を目一杯楽しませようと努力を始める。

「なるほどな！ま、頭いい理由ってそれもあるんだなきっと。」

「んー？そうかな。あんまり良くないんだけどね。」

時間かかっちゃうし、と付け足した彼女の脳みそはどうなっているんだろうか。

実際に今まで見たことのある推理(仮)は素早くあまりミスやカットをしていなかった記憶がある。

「いやいやぁ、何を言わせる。」

「ふふ。あ、キヨ！ゲーム一緒にしたいんだけど…だめ、かな？」

よし、やろう。
出かけたりとか何かものを残してしようかと思ったが、そんな考えは甘いらしい。

結局今日は、ゲーム三昧になりそうな気がします。

*

「…よっしゃっ！私の勝ち！」
「チッまた負けた。」

"you win"とかかれた上画面と"you lose"とかかれた下画面がうつる。
適当に中古屋で買ってきたゲームなのだが、なかなか楽しい。

いろいろなゲームをやり続けて、かれこれ数時間。すでにお昼の時間でずっと笑ったりで楽しい時間も残りわずかとなった。

「あーたのしかった。あ、ね！キヨ。」

「？どったの？」

キャラクター選択画面に戻り、画面から目を離さずに応答するキヨ。

「…あとちょっとでさ、帰るんだけど。

また、来てもいい…かな？」

その言葉に何故か反応したのか、コントローラーを置き私の方へ体を向けた。
胡座をかいたと思うと、両手を広げた。

「…おいで、いつでもきていいからな。」

「ふふ、何それ？じゃあ、今もいいの？」

行こうとしたタイミングで腕を引かれ、いい具合にキヨの中へすっぽりおさまる。

後ろから抱きしめられ、温かい。
近くにおいてあるコントローラーを手に取り、またゲームをはじめた。

「…ほんとは、離したくなんかねぇけどな。」

暗めの声色で放ったその言葉にやっぱり戻りたくないと心が動く。